県の公文書管理の在り方そのものが問われる。現在も県は新型コロナ対策で本部会議などの重要な会議で議事録を作っていない。記録を残さないことが日常化しているのだろう。問題の根は深い。

瀬畑源氏(龍谷大学准教授)

 特に普天間問題は、政府や米国を相手にする外交案件だ。沖縄にも、日本全体にも、県の記録は大きな意味を持つ。どう議論し、なぜその結論になったのか。経緯の分かる記録がなければ、住民への説明責任を果たせないばかりか、後に県が根拠を持って正当性を証明できなくなってしまう。

 交渉には情報や先人の知見の活用が必須だ。途中経過の記録がなくて、普天間問題という長期で機微に関わる業務に支障はなかったのか。記録の蓄積がない状態は、沖縄にとって大きな不利益になる。

 公文書管理は行政の仕事の前提だ。担当者は異動や退職などでいずれいなくなる。記録がなければ、後任者は教訓を生かせない。個人の経験を組織の経験に変えて力にする必要がある。

 県は文書の作成や管理の方法を一から洗い直し、ルール化すべきだ。公文書管理は外からは見えないため、内規では不十分。外部の有識者らを交えて公開の場で議論し、実効性を伴う条例を定める必要がある。(日本政治史・公文書管理制度研究、談)

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