沖縄県内各地の戦跡で約60年間、ボランティアとして沖縄戦の遺骨や遺留品を収集してきた那覇市の国吉勇さん(82)が、自宅敷地の一角に設けた「戦争資料館」で保管している約10万点以上の遺留品の引き取り手を探している。高齢で体力の低下を理由に2016年に活動を引退。国吉さんの思いを受け継ぎ、引き取り先を募っている三男の三雄さん(53)は「県内で沖縄戦の平和学習などに使ってほしい」と自治体や資料館など公的機関への寄贈を希望している。(社会部・大城志織)

国吉勇さんが集めた沖縄戦の遺留品の一部。銃剣や水筒、薬瓶などが天井までびっしりと並べられている=4月22日、那覇市楚辺

天井までびっしりと埋め尽くされている沖縄戦の遺品の数々

国吉勇さんが集めた沖縄戦の遺留品の一部。銃剣や水筒、薬瓶などが天井までびっしりと並べられている=4月22日、那覇市楚辺 天井までびっしりと埋め尽くされている沖縄戦の遺品の数々

 国吉さんは旧真和志村に生まれ、6歳で沖縄戦を体験した。母は本島北部へ避難中にマラリアで、弟とめいは栄養失調でそれぞれ死亡するなど、沖縄戦で身内5人を亡くした。高校生の時に同級生と収集を始めたのをきっかけに、約60年に及ぶ活動で各地に残る3800柱以上の遺骨や人骨が付いた茶わん、破裂した薬きょう、銃剣など10万点以上を収集した。

 三雄さんによると、国吉さんは引退後も資料館を訪れる人を案内していたが、2、3年前からは体力が衰えたため資料館の公開もやめたという。

 保管している遺留品について「防腐処理などは父が以前やったまま。今の状態では年月と共に劣化してしまう」と懸念。「遺留品は沖縄で見つかったもので、いずれ遺族に返る可能性もあるので県内での引き取り手を探したい。営利目的ではなく、次世代に戦争を語り継ぐために使ってほしい」と話し、保管・管理を適切にしてもらえる機関への引き取りを願っている。

 引き取り希望や問い合わせは三雄さん、電話080(3959)4054。