国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際自然保護連合(IUCN)」は10日、日本政府が世界自然遺産に推薦した「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」について、登録するよう求める勧告を発表した。登録勧告はそのまま認められるのが通例で、7月16~31日にオンラインで開かれるユネスコの世界遺産委員会で登録が正式決定される見通し。実現すれば2011年6月の小笠原諸島(東京都)以来、国内から10年ぶりの登録となる。

国頭村安波のクイナ湖上空。湖周辺は世界自然遺産候補地や米軍北部訓練場跡地が広がる=2018年5月30日

ヒナイ川でカヌーを楽しむ観光客=竹富町西表島

ピナイサーラの滝でトレッキングを楽しむ観光客=竹富町西表島

奄美の自然のシンボル・アマミノクロウサギ=奄美大島(南海日日新聞社提供)

国頭村安波のクイナ湖上空。湖周辺は世界自然遺産候補地や米軍北部訓練場跡地が広がる=2018年5月30日
ヒナイ川でカヌーを楽しむ観光客=竹富町西表島
ピナイサーラの滝でトレッキングを楽しむ観光客=竹富町西表島
奄美の自然のシンボル・アマミノクロウサギ=奄美大島(南海日日新聞社提供)

 登録を巡っては、17年2月に政府がユネスコへ推薦書を提出後、同年10月にIUCNが現地調査を実施。本島北部の候補地では、米軍北部訓練場跡地が編入されず、推薦区域が点在する「飛び地」などが課題と指摘され、18年5月に登録延期を勧告された。

 政府は19年2月に再推薦。20年5月に勧告が予定されていたが、世界的な新型コロナウイルス感染症の流行で21年に持ち越された。

 推薦区域の見直しで、総面積は前回推薦時より4752ヘクタール増え、4万2698ヘクタールになった。地域別では、沖縄島北部7721ヘクタール、西表島2万822ヘクタール、奄美大島1万1640ヘクタール、徳之島2515ヘクタールが登録対象。

 IUCNは、沖縄・奄美に絶滅の恐れがある動植物が連なっているほか、独自の生態系や生物多様性、推薦地の飛び地を解消したことによる希少種の保護などを審査したとみられる。

 登録されれば、国内の世界自然遺産は1993年の屋久島(鹿児島)と白神山地(青森、秋田)、2005年の知床(北海道)、11年の小笠原諸島に続く5件目となる。

 勧告は①登録を適当とする「登録」②追加の情報提供を求め、1~2年後の登録を目指す「情報照会」③今回の登録を見送り、今後2~3年以降の登録を目指す「延期」④遺産としての価値を認めない「不登録」の4段階で評価される。