沖縄県糸満市喜屋武の海岸で5日、けがをして岩場から動けなくなった産卵後のアカウミガメが見つかった。地元の住民や警察官、水族館の職員などが連携し、6時間以上の救助活動の末、無事保護された。

岩場のへこみにはまり身動きが取れなくなったアカウミガメ=5日午前9時45分ごろ(徳村弘輝さん提供)

無事救出されたアカウミガメ

岩場のへこみにはまり身動きが取れなくなったアカウミガメ=5日午前9時45分ごろ(徳村弘輝さん提供) 無事救出されたアカウミガメ

 各所にカメの救出を呼び掛けたのは、市内でウミガメの産卵場所を自主的にパトロールするなど見守り活動をしている徳村弘輝さん(66)。県内のラジオ番組に「亀仙人」の名前で投稿する徳村さんは地元でもカメ好きで知られ、5日午前、知人から「海に戻れなくなっているカメがいる」と情報が寄せられた。

 現場は海まで約15メートルの岩礁。午前9時すぎに徳村さんが着くと、体長約1メートルのウミガメが動けなくなっていた。周囲の砂浜には7、8カ所穴が掘られており、うち1カ所には卵が数個産み落とされていた。

 徳村さんによると、ウミガメは例年、より南の広い砂浜で産卵するといい「音や光に敏感なため人の気配がある場所を避けたのかもしれない」と説明。例年の砂場に上がれず、産卵できる場所を探すうち岩場にはまり海に帰れなくなった可能性があるという。

 岩場を移動しようとしたウミガメは腹や腕にけがを負って血が出ていたため、徳村さんは人手が必要だと判断し110番通報。警察からの連絡で沖縄美ら海水族館の職員も駆け付けた。

 地元住民が見守る中、水族館職員がカメをネットで包み、駐在所の警察官、徳村さんらも手伝って無事にトラックまで運んだ。カメを見送った頃には午後3時を過ぎていた。今後は水族館が保護し、けがが治り次第海に帰すという。

 徳村さんは「浦島太郎じゃないがみんなで協力して助けることができてよかった」と一安心。「元気になってまた糸満に戻ってきてほしい」と話した。