新型コロナウイルスの感染拡大で観光需要が激減する一方、県内ではホテルの新規開業が相次いでいる。本紙の調べでは、2024年までに少なくとも11ホテル(2674室)が開業の予定だ。観光を取り巻く環境の厳しさから、独自のコンセプトを打ち出し、他ホテルと差別化を図りながらアフターコロナを見据えるホテルもある。専門家は「コロナ禍で供給が需要を上回っている状態」と指摘。「いかに他と違う特徴を明確化できるかが競争の鍵となるのではないか」との見方を示す。

県内で開業が予定されているホテル

 10日に本格オープンする恩納村山田のリゾートホテル「ウムイフォレストヴィラ沖縄」は、美・健康・エコをコンセプトに、富裕層をターゲットに据える。

 一棟貸し切りのヴィラタイプを強みに、部屋内でのチェックイン・チェックアウトで、非接触をPR。コロナ禍は県内・国内客へホテルの特徴を浸透させる期間と位置付け、2~3年後のインバウンド需要の回復を見据える。

 星野リゾートは13日、県内初ブランドの都市観光ホテル「OMO5沖縄那覇」を那覇市松山に開業する。

 担当者は「リピーターほど那覇を通過し、リゾートに流れる傾向がある」と分析。スタッフがマチグヮーや路地裏など“ディープな那覇の街”を案内するサービスで、市内に宿泊する魅力の掘り起こしを図る。

 県の調査によると、客室数はコロナ禍でも増加。20年は前年比6・2%(3379室)増の5万7759室となった。ただ、コロナの影響で、廃業届は前年比121件増の239件に伸びている。

 りゅうぎん総合研究所の武田智夫調査研究部長は「コロナ禍で客室は供給過多の状態だが、収束後の沖縄の観光地としてのポテンシャルを見越した進出が続いている」と分析。「顧客ニーズの変化を捉えたサービスや、特徴を打ち出せるかが生き残りの鍵になるのではないか」と話した。(政経部・伊禮由紀子)

(写図説明)本年度以降に県内で開業する主なホテル