国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際自然保護連合(IUCN)」による「登録」の勧告が発表された10日、各候補地では2018年の登録延期から待ちわびた吉報に、歓喜の声が上がった。

浦内川では水面が鏡のようにマングローブ林を映していた=4日、西表島(朝日新聞社提供)

世界自然遺産の登録勧告を喜び、万歳する知花靖国頭村長(左端)と村役場職員ら=10日、同村役場

奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島 

浦内川では水面が鏡のようにマングローブ林を映していた=4日、西表島(朝日新聞社提供) 世界自然遺産の登録勧告を喜び、万歳する知花靖国頭村長(左端)と村役場職員ら=10日、同村役場 奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島 

 沖縄県の国頭村、大宜味村、東村でつくる「やんばる3村世界自然遺産推進協議会」会長の知花靖国頭村長は午後6時前、環境省沖縄奄美自然環境事務所の東岡礼治所長から電話連絡を受けた。

 知花村長は電話を終えると「待ちに待った知らせだ。期待と不安があったので、今はほっとして肩の荷が下りた気分。7月の委員会での決議に期待し、村民の機運醸成に取り組みたい」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 知花村長の報告を受けた役場職員らからは、拍手と歓声が上がり、カチャーシーと万歳で祝福した。

 東村観光推進協議会の渡久山真一理事長は「新型コロナの影響で観光業にとって暗い状況が続く中、とても明るいニュースだ。コロナ収束後の起爆剤にし、観光をまたみんなで盛り上げたい」と期待。

 10年以上、森林ツアーガイドをする松川隆行さん(70)=大宜味村=は「期待が大きかっただけに、とてもうれしい。ガイドとしてやんばるの森の素晴らしさを伝え、自然保護の意識を醸成していきたい。またガイド不足という課題克服のため、人材育成にも取り組みたい」と意気込んだ。

 西表島がある竹富町。午後6時15分すぎ、吉報の電話に、担当者らが拍手や指笛を鳴らして喜んだ。町世界遺産推進室の通事太一郎室長は「遺産の価値を将来へしっかり残していく」と語った。西表島エコツーリズム協会の平良彰健会長(66)は勧告を喜び、「20数年、持続可能なツアーを提唱してきた。島の自然も生活文化も責任を持って守っていく」と力を込めた。

 奄美12市町村でつくる奄美群島広域事務組合管理者の朝山毅奄美市長は「奄美群島の豊かな自然環境が世界の宝として評価され、大変うれしく思う。7月の世界遺産委員会で勧告通りに登録されるよう、関係機関、団体と全力で取り組む」と決意を新たにした。 大島郡町村会会長の高岡秀規徳之島町長は「長い道のりを振り返ると大変感慨深い。群島民の悲願でもある自然遺産登録に向けた大きな一歩。新型コロナウイルスの一日も早い収束を願い、群島民一丸となって対応を進める」と話した。