国際自然保護連合(IUCN)が本島北部や西表島などの世界自然遺産登録を勧告した10日、沖縄県内経済界からは喜びの声が相次いだ。沖縄観光のけん引につながるとの期待が高まるとともに、関係者は持続可能な地域づくりに向け、環境保全の取り組みを推進する必要性を訴えた。

朝日が差し込む比地川流域の森。上流には比地大滝がある=国頭村

「世界自然遺産推進共同企業体」の発足式で記念撮影する関係者ら=2019年5月、沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ

朝日が差し込む比地川流域の森。上流には比地大滝がある=国頭村 「世界自然遺産推進共同企業体」の発足式で記念撮影する関係者ら=2019年5月、沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ

 45社が加盟する世界自然遺産推進共同企業体の代表を務める、日本トランスオーシャン航空の青木紀将社長は「勧告を心からお喜び申し上げる。引き続き関係の皆さまと連携し、持続可能な地域づくりと次世代継承に取り組んでまいります」とコメントを発表した。

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の下地芳郎会長は、自然遺産登録は沖縄の悲願とし「沖縄は文化遺産と自然遺産の両方で世界に認められることになる」と勧告の意義を強調。

 「文化と自然を守り育てることが、次の世代に向けての責任ある観光につながる」と沖縄観光の将来を見据え「7月の正式登録に向け、環境保全の取り組みや利用のルールづくりを加速することが最優先だ」と話した。

 国頭村観光協会の金城茂会長は「長いこと待っていた。ほぼ確定と聞いて、非常にうれしい」と喜んだ。協会の設立は、世界自然遺産の登録推進に向け、受け入れ態勢の整備などが目的の一つだった。

 自然や地域に配慮しながら観光客を受け入れようと、地元ガイドの養成に取り組んできた。「貴重種や自然は守りながら、やんばるのよさ、魅力を磨いて活性化につなげていきたい」と力を込めた。

 北部12市町村の観光協会の会長で組織する「北部地区観光協会会長会」の當山清博会長(本部町観光協会会長)も「本当にうれしいニュース」と声を弾ませた。

 新型コロナウイルス感染拡大で「やんばるは、ほとんどの地域で観光の客足がコロナ前の5分の1から4分の1。疲弊し、苦しかった」。だから登録に期待を寄せていた。

 「自然があってこその観光地。先人たちのおかげだ」と感謝する。自然を守りながら魅力を発信するため、観光地域作り法人(DMO)の登録も考えているという。「やんばるがひとつの面となって連携し、分散化を促しながら、滞在型の持続可能な観光地をつくっていきたい」と意気込んだ。

 「八重山観光をけん引する一つの要因になる」と喜ぶのは、八重山ビジターズビューローの金城徹専務理事。自然保護の意識を地元も来訪者も高める必要があるとした上で「登録の対象になる4地域を回る長期滞在のツアーなど、いろいろな形で連携していきたい」と期待を寄せた。