「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録に向け、国際自然保護連合(IUCN)が「登録が適当」と勧告した。島々が織りなす自然環境は多くの固有種を育み、個性豊かな生態系を創出している。沖縄タイムスと南海日日新聞は連携して、登録へ大きく前進する各候補地の「森の住人」を紹介する。


 西表島は沖縄本島に次ぐ面積2万8930ヘクタールの広さがあり、世界自然遺産への推薦区域は2万822ヘクタールとほぼ重なる。このうち9割が国の森林生態系保護地域に指定されている。

 豊かな自然環境を象徴するのがイリオモテヤマネコだ。西表だけに生息する固有種は八重山に分布するカンムリワシと並び、国の特別天然記念物だ。

 一般的にネコ科の仲間はネズミなどの小型哺乳類を食べるが、ヤマネコはカエルや昆虫、鳥類、テナガエビなどさまざまな動物を捕食する。島に小型哺乳類が少ない一方、進化の過程で河川やマングローブ林が育む多様な生き物を餌に見いだした。

 現在の推定個体数は約100頭で減少傾向にある。2007年には環境省のレッドリストで絶滅危惧種となり、近年は特に交通事故の被害が問題で、官民挙げて対策に乗り出している。
 

イリオモテヤマネコ 西表島の固有種で、国の特別天然記念物、絶滅危惧1A類に指定。1965(昭和40)年に発見され、現在の推定個体数は100頭ほど。竹富町のマスコットキャラクター「ピカリャ~」のモチーフになるなど島の象徴(西表野生生物保護センター提供)
カンムリワシ 「天空の王者」として八重山に分布する国の特別天然記念物
マングローブ 西表クイラ川のマングローブ。川の水をきれいにして海に流す役割を担うため、周辺の水質は透明度が高い