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米軍オスプレイつり下げ訓練:沖縄防衛局が苦慮、北部訓練場返還に「冷や水」【深掘り】

2016年12月11日 10:53

 米海兵隊オスプレイによる訓練飛行への対応に、沖縄防衛局が「苦慮」している。6日の宜野座村城原区の民家上空でのつり下げ訓練では県内から一斉に抗議の声が上がり、防衛局は火消しに追われた。だが米軍は訓練を継続する方針を崩していない。22日に米軍北部訓練場の返還を控え、「戦後最大面積の返還」をアピールしたい防衛局だが「祝賀ムードに水を差された」とため息が漏れる。(政経部・大野亨恭)

民家のすぐ脇を物資をつり下げて旋回するオスプレイ=6日午後3時47分ごろ、宜野座村城原区内

 6日夜。名護市内で民間地上空でのつり下げ訓練を知った中嶋浩一郎局長は、急きょ宜野座村に出向き、當眞淳村長へ謝罪、深夜にもかかわらず米軍へ抗議した。

 7日には県が中嶋局長を呼び、厳重に抗議し、再発防止を要請。中嶋局長は海兵隊太平洋基地ホアキン・マラベット司令官から「配慮する」との言及があったことに触れ、再発防止に向け米側と協議を継続すると強調した。

 だが、米軍は抗議や申し入れを無視する形で7、8日も城原区付近でのつり下げ訓練を実施した。

 さらに、防衛局職員が目視で確認した「民間地」での飛行の事実も米軍は否定。本紙の質問に「訓練は承認されたルートで実施した」と防衛局と異なる認識を明らかにした。

 はしごを外された形の防衛局からは「いいかげんにしてくれ」とため息と同時に米軍への不満が漏れる。

 防衛局が異例の深夜の抗議やおわび行脚をした背景には、米軍北部訓練場のヘリパッド建設を巡り、オスプレイの運用や飛行経路の見直しなどを求めている東村や国頭村にオスプレイへの「不安」を拡大させたくない狙いがあった。「高江周辺でも同様の被害が起きるのは目に見えている」と指摘する安慶田光男副知事に、中嶋局長は再発防止の重要性を繰り返した。

 加えて、22日には北部訓練場の返還式を控える。約4千ヘクタールの返還を政府は沖縄の負担軽減の「目玉」と位置付けており、菅義偉官房長官やケネディ駐日米大使らも参加して大々的にアピールする考えだ。そんな中での訓練は「オスプレイの危険性を強調するだけ」(防衛省関係者)と不快感を示す。

 訓練増加は6、12月の海兵隊の部隊交代による「試験飛行」との見方が強い。防衛省関係者は「訓練増加はやむを得ない」としつつ、「22日は静かな環境で迎えたい」とこぼした。

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