[宮古贈収賄事件](上)

贈収賄事件の構図

前市長の下地敏彦容疑者宅を捜索し、証拠物を押収する捜査員ら=同3時半ごろ、宮古島市

贈収賄事件の構図 前市長の下地敏彦容疑者宅を捜索し、証拠物を押収する捜査員ら=同3時半ごろ、宮古島市

 沖縄県宮古島市上野野原のゴルフ場「千代田カントリークラブ(CC)」の土地を国に売却できるよう便宜を図り、見返りに現金約650万円を受け取ったとして贈収賄容疑で逮捕された前市長の下地敏彦、会社役員の男の両容疑者。2人の接点は「宮古地区自衛隊協力会」だった。共に陸上自衛隊誘致を進めてきた会員からは「われわれにとっても悲しい出来事だ」と困惑の声が上がった。(宮古支局・知念豊)

 「まさか。そんなことが裏で起きていたとは」。両容疑者が逮捕された12日、協力会のある会員は「贈収賄」の容疑を聞いて声を失った。両容疑者と活動してきたが「そういう間柄だとは知らなかった」と話した。

 協力会は約50年前、空自宮古島分屯基地が発足したころに結成された。基地と地域住民の橋渡し役として観月会などのイベントを共催して交流する一方、経済活性化を目的に陸自の誘致も推進してきた。

 前市長の敏彦容疑者は名誉職である特別会員、会社役員の男は事務局長や副会長を歴任した。関係者は「会員としての交流はあったが、特に親密な関係には見えなかった」と話す。

 ただ、会社役員の男はある悩みを抱えていた。代表を務めていた千代田CCの2015年3月期決算の純損益は約4900万円の赤字になっており、協力会会員の間でも厳しい経営状況は周知の事実だった。

 17年の市長選では、別の候補者を支持するとみられていた会社役員の男が敏彦容疑者の選対事務所に顔を出し、周囲を驚かせた。その急速な接近を、関係者は「敏彦市長と一緒に万歳するのを見て不思議な気持ちになった」と振り返った。

 3~4年前には市内の建設会社事務所で両容疑者が話す姿もあったと打ち明ける。「今となってみると金銭的な何かがあったのではないかと疑念が拭えない」と語った。

 別の会員は、他の候補地に比べて千代田の方が条件的に有利で、無理をしなくても国が取得したはずだと指摘。「金銭授受の必要性は全くなかったはずだ。魔が差したのか。何があったのか知りたい」と肩を落とした。