生まれつき脳や神経に障がいがあり、たんの吸引や人工呼吸器を日常的に必要とする「医療ケア児」の仲村夢杏(ゆあん)ちゃん(4)=沖縄県宜野湾市=がこのほど、病気や事故などで髪の毛を失った子どもたちに自分の髪を寄付する「ヘアドネーション」のために髪を約25センチ切った。母親の紋野(あやの)さん(38)によると、夢杏ちゃんはこれまで、髪を失った子どもたちを入院先でたくさん見てきたという。しゃべることのできない夢杏ちゃんは、紋野さんに「お友達に良いことしたね」と言われてニコッと振り向いた。

髪を切って笑顔を見せる仲村夢杏ちゃん=2月、中城村内(提供)

手術後、約3年かけて髪を伸ばした仲村夢杏ちゃん=1月(提供)

髪を切って笑顔を見せる仲村夢杏ちゃん=2月、中城村内(提供) 手術後、約3年かけて髪を伸ばした仲村夢杏ちゃん=1月(提供)

 夢杏ちゃんは今までに、脳や気管の手術を計8回受けた。4回目の手術を終えた後、約3年かけて髪を伸ばした。紋野さんは、夢杏ちゃんが頭部の手術のたびに髪をそられるのを見て「せっかく伸びてきたのに」と心を痛めていた。髪を一部残してくれる医師の気遣いもあったが、医療用かつらを必要とする子どもたちの気持ちも痛感したという。

 夢杏ちゃんは、少なくても1時間に1回、多ければ5分に1回、たんの吸引が必要。美容室に迷惑をかけるのではと来店を遠慮してきたが、病院で知り合った美容師が夢杏ちゃんのため自身の店を貸し切りにしてくれたため、リラックスして臨めたという。

 父親の翔さん(37)は「夢杏ができないことを数えるより、できることを増やしてあげたい」と話している。