沖縄県石垣市登野城の「みんさー工芸館」の門塀の屋根にイヌビワの果樹が育ち、客や通行人らの目を引いている。

門塀屋根に実るど根性のイヌビワ=4月22日、石垣市登野城

 門塀の屋根は高さ約1・5メートル、横2メートルほど。その屋根の赤瓦のわずかな隙間から発芽し、4月22日現在、高さ30センチ近くに成長している。根本から数本に枝分かれし、主幹中心に直径1~2センチの花嚢(のう)や実11個が付いている。大きな実は色も形もイチジクのよう。「今まで誰も気付かなかった。話題を呼びそうで、このまま見守ろう」と工芸館職員。

 林野庁九州森林管理局の西表森林環境保全ふれあいセンターは「野生の鳥か小動物が落としたふんの中の種が発芽したイヌビワでは。ど根性の珍現象」と指摘する。

 イヌビワはイチジク属クワ科の落葉低木。雌雄異株で関東以西~沖縄の海岸近くや山裾などに自生する。花は花嚢の中で見えず、雌株の実は夏場に黒紫色に熟して食べられ、飼料にもなる。本土の実は小さいが、沖縄では3センチほどに太るとされる。方言ではアンマーチーチー、シタビなどと呼ぶ。(太田茂通信員)