[森どぅ宝~世界自然遺産へ~]世界遺産候補 北部訓練場跡地ルポ

 世界自然遺産候補地で、2016年に返還された米軍北部訓練場跡地の森。「ピーピーピー」と鳴りやまない金属探知機の音が響く。表面を少し掘ると空包や野戦食の袋が次々と出てくる。その背後で「キュウ キュウ」とノグチゲラ。ヤンバルクイナも「キョキョキョキョキョ」と鳴いた。チョウ類研究者の宮城秋乃さん(42)が17年から続ける米軍の廃棄物調査に12日、同行した。(北部報道部・西倉悟朗)

 森の中を走る県道沿いに、金網のゲート。「ここは国有林です」と書かれた掲示を横目に、返還地へと入る。舗装された道路を30分ほど進み、そこからさらにリュウキュウチクをかき分けながら山の斜面を登っていると、準絶滅危惧種のシリケンイモリが目の前を横切った。

 すぐ近くでは、数日前の雨で表面の土が流され、空包3発と野戦食のごみが地表に出ていた。「金属やプラスチックなど、もともと自然界にない物質が地中に残れば、生き物の生態に影響を与えるかもしれない」。宮城さんはイモリが茂みに入るのをそっと見届け、空包を回収した。

 山道をしばらく登ると、赤土が露出し、緑の森には似合わない光景が目の前に広がる。...