沖縄美ら海水族館(沖縄県本部町)は13日、沖縄美ら島財団とフィリピンの研究機関との共同研究で、ザトウクジラが沖縄―フィリピン間で回遊していることを明らかにしたと発表した。ザトウクジラの回遊経路については詳細が不明な点が多いといい、「ホエールウオッチングなどの対象でもある同種の管理や保全を行う上で、大変重要な発見だ」としている。

(資料写真)水面から尾びれを高く上げるザトウクジラ=2020年2月12日午前、伊江島沖(金城健太撮影)

ザトウクジラのイラスト(国営沖縄記念公園・海洋博公園提供)

ザトウクジラの沖縄―フィリピン間の回遊を表すイメージ図(国営沖縄記念公園・海洋博公園提供)

(資料写真)水面から尾びれを高く上げるザトウクジラ=2020年2月12日午前、伊江島沖(金城健太撮影) ザトウクジラのイラスト(国営沖縄記念公園・海洋博公園提供) ザトウクジラの沖縄―フィリピン間の回遊を表すイメージ図(国営沖縄記念公園・海洋博公園提供)

 同財団は、約5年前からフィリピンの研究機関「BALYENA.ORG」と共同で、調査を行ってきた。北太平洋のザトウクジラは夏にロシアやアラスカなど高緯度海域で餌を食べ、冬に沖縄やフィリピンなどの低緯度海域で繁殖や子育てをする。尾びれの特徴で個体を識別することができる。

 調査では、フィリピン周辺のザトウクジラのうち43・48%が沖縄で確認された個体と一致。数個体が同年内に両海域間を移動していたことも明らかになった。海域間を行き来する頻度や状況から、同じ集団の可能性があるという。

 同財団総合研究センター動物研究室の岡部晴菜さんは「沖縄のクジラがフィリピンまで回遊していて、その生息範囲が明らかになったことは、ザトウクジラの保全を行う上で重要だ」と話した。

 研究結果は国際学術誌「Journal of Cetacean Research and Management」に掲載された。