安心して出産できる環境にない沖縄県内の若年妊産婦らを対象に、一般社団法人おきなわ子ども未来ネットワークが本島中部に開設した「まりやハウス風のいえ」(當山恭子施設長)の内覧会が8、10の両日あった。自治体や児童相談所の職員、産婦人科医、母子支援に携わる関係者ら約50人が訪れ、切れ目のない連携の在り方などについて意見を交わした。

「まりやハウス風のいえ」の談話室に集まる職員と運営する法人の関係者。(左から)高宮城ゆかりさん、當山恭子さん、山内優子さん、東江令奈さん=10日、本島中部

妊産婦2人が寝起きする洋間=8日、本島中部

食事や情報交換の場となるリビングルーム。内覧会では支援者同士が意見交換していた

「まりやハウス風のいえ」の談話室に集まる職員と運営する法人の関係者。(左から)高宮城ゆかりさん、當山恭子さん、山内優子さん、東江令奈さん=10日、本島中部 妊産婦2人が寝起きする洋間=8日、本島中部 食事や情報交換の場となるリビングルーム。内覧会では支援者同士が意見交換していた

 施設は妊産婦の支援に特化した県内で初めての宿泊型居場所。生活苦や頼れる親族がいないなど困難な事情を抱える県内女性を一定期間、6人を上限に受け入れる。年齢制限は設けないが10代の若年者を優先する。

 2階建てで、2人1組の居室が3部屋と談話室などがあり、平日は看護師と社会福祉士が常駐、助産師が週2回勤務し、産婦人科への同行や生活支援、体調管理などに当たる。陣痛や乳児の緊急時などには、夜間・休日でも看護師や助産師が駆け付けるオンコールの対応を取る。生活保護受給者などを除き利用は原則無料。

 内覧会では、関係機関の支援者たちが當山施設長らから職員体制や間取りの説明を受けた。県立中部病院産婦人科の三浦耕子医師は「若年妊産婦には、大人への信頼感がないまま育った子が多い。この居場所に来たから解決というわけではないが、安心して出産できる環境や大人を信じてもいいと思える経験は、彼女たちがその後の子育てで誰かを頼り、孤立しないための力になる」とうなずいた。

 同法人には既に、妊婦本人や行政機関から利用の問い合わせがあり、山内優子代表理事は「利用者が妊娠・出産から次のステップへ元気に踏み出せるよう、民間の柔軟性を生かしたきめ細かなサポートを目指したい」と意欲を見せる。

 施設スタッフで社会福祉士の高宮城ゆかりさんは、児童養護施設での勤務経験があり「利用者の希望を丁寧にくみ取りながら、退所後の生活まで一緒に考えていきたい」と語った。中・高生用の教材を使うなどして、学習支援を望む利用者にも対応する考えだ。施設の問い合わせは同法人、電話098(989)7301。