沖縄県国頭村奥間の森の中で、国の天然記念物ヤンバルクイナの親鳥が、巣に侵入してきたヘビからひなや卵を守る様子が初めて撮影された。ヤンバルクイナの巣に侵入した約1・5メートルのアカマタに、雄の親鳥が脚を乗せていた。その9分後、巣の外で3羽の無事なひなの姿が写っていた。

巣に侵入したアカマタの上に脚を乗せるヤンバルクイナの親鳥(右上)=8日午前3時36分、国頭村奥間(山階鳥類研究所提供)

 環境省などによるヤンバルクイナ保護増殖事業の一環で、山階鳥類研究所(千葉県)と、どうぶつたちの病院沖縄が実施する調査の自動カメラに写った。撮影されたのは8日。同研究所が18日までに発表した。

 この親鳥は環境省の施設で生まれ育ち、2019年9月に放鳥された。その後、行動を追跡するため、同研究所などが、3分おきに自動で撮影するカメラを巣の近くに設置していた。

 5日には、この巣に卵5個があり、巣に近づくアカマタの様子が同じカメラで撮影された。その際は親鳥の行動は写っていなかったが、卵は無事だった。8日までにうち4羽のふ化が確認された。

 調査した同研究所の尾崎清明副所長は「親鳥が何もしなければ、5日時点で卵は捕食されていた」と指摘。8日に撮影された行動も、親鳥がヘビの捕食からひなや卵を守るために脚で押さえつけ、その間にひなが逃げた可能性があるとみている。

 尾崎副所長は「人工的な環境で育った個体が野生の個体との繁殖に成功しただけでなく、ひなを守るような行動を取った。環境にうまく適応していると言える」と話した。