新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、沖縄県は19日、政府に緊急事態宣言の対象に加えるよう要請した。適用されれば、県内全域を対象に、酒を提供する飲食店やカラオケ店などへの休業要請を含む「緊急事態措置」が実施される。休業要請に伴い協力金も支払われるが、損失を十分にカバーできない店もある。収束の見通しが立たない中、飲食業界からは休業要請の長期化を懸念する声も上がっている。

緊急事態宣言で酒を提供する店の営業はどう変わるのか

緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の違い

緊急事態宣言で酒を提供する店の営業はどう変わるのか 緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の違い

 現在、緊急事態を宣言しているのは、東京、京都、大阪、兵庫、愛知、福岡、北海道、岡山、広島の9都道府県。沖縄に適用されているまん延防止等重点措置が、市区町村や一部の地域を対象エリアとしているのに対し、緊急事態宣言は都道府県単位での指定となり、より広域での感染封じ込めを図る。

 酒を提供する飲食店やカラオケ店などへの対策も強化される。重点措置は時短の要請・命令までだが、緊急事態宣言では時短に加えて休業の要請・命令もできる。酒を提供せず、カラオケ設備を使わない飲食店などには午後8時までの時短を要請する。

 正当な理由なく命令に違反した事業者への罰則は、重点措置が20万円以下の過料だったが、緊急事態宣言では30万円以下の過料となる。

 県は昨年4月の緊急事態宣言で、約1カ月にわたって床面積千平方メートルを超える商業施設や、カラオケボックスなどの遊興施設、劇場や映画館など7業態の特定施設に休業を要請した。

 当時は飲食店や居酒屋は対象外だったが、外出自粛や観光客の大幅減少で経営悪化は深刻化。県は約7千事業者を対象に10万円を支給する緊急支援事業を実施した。

 8月には、クラスター(感染者集団)が発生した那覇市松山のスナックなどの事業所へ休業を、那覇市内の飲食店に午後10時までの時短をそれぞれ要請。休業には20万円、時短には10万円を支給した経緯もある。

 現在の重点措置適用に伴う時短営業では、中小企業の場合、1日3万~10万円の協力金が支給されることになっている。適用外の地域でも1日2万5千円~7万5千円が支払われる。これに対し緊急事態宣言の対象になると、下限額が4万円に引き上げられる。

 県飲食業生活衛生同業組合の鈴木洋一理事長は「短期間の休業なら理解できるが、コロナの新規感染者が急増する中、措置期間が長引くのではないか」と危惧した。

 このほか緊急事態措置を巡っては、大型商業施設に平日午後8時までの時短営業と土日祝日の休業を要請する県もあり、都道府県の判断で盛り込む内容に違いもある。