沖縄県の豊見城市議会(外間剛議長)は20日の臨時会本会議で、「沖縄戦の戦没者の遺骨等を含む土砂を埋め立てに使わないことを求める意見書案」を全会一致で可決した。3月議会で同様の意見書案を賛成少数で否決していた。与党共産の提案では「遺骨等を含む可能性のある土砂」としていたが、与野党で協議し、「可能性のある」を削除するなど調整した。

沖縄戦戦没者の遺骨を含む土砂を埋め立てに使わないことを求める意見書案を審議する豊見城市議会=20日、沖縄県豊見城市

豊見城市議会の審議を見守る傍聴者ら=20日、沖縄県豊見城市

「豊見城も捨てたもんじゃない」と全会一致の可決を喜ぶトマト農家の金城博俊さん

沖縄戦戦没者の遺骨を含む土砂を埋め立てに使わないことを求める意見書案を審議する豊見城市議会=20日、沖縄県豊見城市 豊見城市議会の審議を見守る傍聴者ら=20日、沖縄県豊見城市 「豊見城も捨てたもんじゃない」と全会一致の可決を喜ぶトマト農家の金城博俊さん

 「日本政府が主体となり、戦没者遺骨収集を実施すること」も求めている。宛先は首相や防衛相、厚労相などの政府機関と衆参両院議長など。

 意見書では、県民の犠牲者のうち約6割が沖縄本島南部の戦闘で亡くなったとされ、今なお多くの遺骨が残され、収集作業は続いていると強調。「戦没者の遺骨を含む土砂を埋め立てに使うことは、声なき死者への冒とくに他ならず、人道的にもあってはならないことであり、決して許されることではない」と訴えている。

 豊見城市内では3月議会の後、市根差部のトマト農家金城博俊さん(43)が、市役所前で座り込むなど、意見書案の否決に抗議する声が広がっていた。金城さんの提出した「沖縄本島南部からの土砂採取計画を断念すべきとする意見書の提出を求める陳情書」は、与党の共産、真新会が反対する中、賛成多数で陳情の趣旨に賛同する「趣旨採択」となった。

 本会議では当初、与野党で計3つの意見書案を提出していた。野党の保和会は玉城デニー知事宛てに「戦没者の遺骨を含む土砂を埋め立てのみならずあらゆる公共工事に使わないことを求める意見書」、政府機関宛てに「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律を徹底して強化・実施を求める意見書」の2案を提出。

 知事には「戦没者の遺骨を含む土砂を埋め立てのみならずあらゆる公共工事に使わないこと」「日本政府が主体となり戦没者遺骨収集を実施することを強く求めること」「沖縄県は鉱山開発について遺骨混入の有無を調査することに協力体制を構築すること」の3点を求めていた。

 一方、与党の共産は「沖縄戦戦没者の遺骨を含む可能性のある土砂を埋め立てに使わないことを求める意見書案」を出した。

 審議に入る前に、野党ZEROの新垣繁人氏が「全会一致になるよう与野党で協議、調整を続けたい」と呼び掛け、休憩中の議会運営委員会で意見書案を一本化し、当初の3案を取り下げることで合意した。