琉球大学と沖縄科学技術大学院大学(OIST)、東北大学の研究チームはこのほど、沖縄を含む熱帯・亜熱帯地域で発生する「レプトスピラ症」について、病原細菌が臓器を壊して感染する仕組みを解明したと発表した。研究チームは「新たな予防や治療法開発が期待できる」としている。

細胞に付着する病原菌レプトスピラ(研究チーム提供、Sebastian et al., Cellular Microbiology, 2021より改編)

 レプトスピラ症は菌を保有する動物の尿が川水に混じり、人間が川遊びをした際などに感染する。症状は発熱、頭痛、筋肉痛など風邪に似ており、悪化すると肝臓や腎機能に影響を与え死亡する例もある。県内でも感染が確認されている。

 これまでの研究で、病原菌は細胞の隙間を通過しながら肝臓や肺、腎臓などにたどり着くことが示されていたが、そのメカニズムは未解明だった。研究チームは細胞同士を接着させるタンパク質「カドヘリン」に着目。病原菌が細胞間の接着を破壊することで通過する仕組みを明らかにした。同研究により、病原菌の全身への広がりを食い止められる可能性があるという。

 研究成果は英国の学術雑誌「Cellular Microbiology」のオンライン版で公開されている。