空き時間を利用して続けてきた献血が300回に達した。総量は200リットルドラム缶とほぼ同じだ。大台を記録した沖縄県那覇市の備瀬亮平さん(36)は20日、通い慣れたくもじ献血ルームで、県赤十字血液センターから感謝状が贈られ「献血はライフスタイル」と胸を張る。同センターによると、若年者の献血が伸び悩む県内で、30代の300回達成は珍しいという。一方、新型コロナウイルス感染症の拡大で、県内の献血者は低迷しており、血液確保に「赤信号」が点灯している。(社会部・砂川孫優)

看護師と談笑しながら300回目の献血を行う備瀬亮平さん=20日、那覇市久茂地のくもじ献血ルーム

県赤十字血液センターから贈られた感謝状を手にする備瀬亮平さん

看護師と談笑しながら300回目の献血を行う備瀬亮平さん=20日、那覇市久茂地のくもじ献血ルーム 県赤十字血液センターから贈られた感謝状を手にする備瀬亮平さん

 備瀬さんが初めて献血したのは大学生だった19歳のころ、知人に勧められたことがきっかけだ。献血にのめり込んだのは、学生交流で北海道札幌市の大学に通った時。好物の菓子代を節約するため、献血後に提供されるケーキやマフィンを目当てに献血ルームへ足を運んだ。

 気付けば献血が習慣になっていた。月2回の成分献血は会社員になっても変わらず、旅行で訪れた東京や北海道でも欠かさない。「地域によって提供されるお菓子も違う。それも楽しみの一つ」と笑顔で語る。

 県赤十字血液センターによると、新型コロナの影響で献血に協力する人が密になることなどを理由に足を運ばなくなり、県内の献血実績(400ミリリットル)が減少傾向にある。

 直近では、4月1日~5月19日の目標数が下回っている。今月19日は215人分の献血が不足し、県内で血液の需給バランスが崩れているという。

 同センターの赤嶺廣幸係長は「打開策は献血者への『お願い』しかない。根気強く協力を呼び掛けたい」と話す。国の緊急事態宣言も重なり、血液確保は苦境に立たされるとみるが「献血は不要不急の外出ではない」と理解を求めた。

 備瀬さんも「コロナ禍だからこそ、若者が率先して協力してほしい」と話した。