[沖スポプラス]

華麗な技を披露するプロライダー漢那史哉=那覇市・新都心公園(下地広也撮影)

自転車のBMXプロライダー・漢那史哉=那覇市・新都心公園

華麗な技を披露するプロライダー漢那史哉=那覇市・新都心公園(下地広也撮影) 自転車のBMXプロライダー・漢那史哉=那覇市・新都心公園

 平地で自転車BMXを自在に操り、華麗な技を披露するフリースタイル・フラットランド。プロライダーの漢那史哉(28)=沖縄市出身=は、日本で男子2人の強化指定選手に選出された有望株だ。BMXはレースが2008年の北京五輪から、フリースタイル・パークは今夏の東京五輪から正式種目となり、フラットランドは24年パリ五輪で採用されるかが注目される。採用されれば現時点で出場に近い位置にいるが、競技レベルの高い日本にはライバルも多い。「自分が出る出ないにかかわらず、採用されたらうれしい」。無限の新技に挑みながら、その時を待つ。(當山学)

 音楽家の普久原恒勇さんを祖父に持ち、音楽の街コザで生まれ育った。そのため、ミュージシャンとのコラボではモチベーションが上がるという。コザはスケートボードが盛んで、路上のパフォーマンスにも慣れ親しんでいた。

 漢那が使う自転車はブレーキなしの上級者仕様だ。転ぶリスクが高まる一方、高難度の技で高得点が期待できる。「とにかく自由っすね。自分を表現できる最大のもの。100人が同じ技をやっても同じにならない」と魅力を説明する。「見た目が派手で見ている人に伝わりやすい、誰が見ても『すごい』と思えて、歩いている人がハッピーになるような演技」を貫く。

 3歳から自転車に乗り、美来工科高3年で初出場した全日本選手権エキスパートクラスで優勝。18歳でプロになった。プロとはいえ数少ない大会の賞金だけで生活するのは難しく、優勝しても10万円、地方だと5万~10万円、世界大会でも30万~60万円ほどだった。15年、日本人選手の第一人者が主催する大会の優勝賞金が500万円に上がり、注目度が高まった。

 昨年はコロナ禍で世界大会がなく、国内大会は全日本とジャパンカップだけ。どちらも表彰台に上ったことで、強化指定選手に選ばれた。五輪に採用されれば、これまで代表を決める大会に出ていなかった実力者たちが動きだす可能性があるが「その時、どれだけ自分がスキルを上げて誰にも負けないようにするか」。最近は家で過ごす時間が増え、「今年、来年、どう世界と戦うか。俺しかできない最高難度の技を研究している」と自分磨きに余念がない。

 成長著しいキッズたちには「どれだけ、ずっと引っ張っていけるか楽しみ」と迎え撃つつもりだ。フラットランドが広まることを何よりも願いながら、6月にフランスで行われる世界選手権に挑む。