「毎日泣きながら暮らしています。助けてください」

 「働いても働いても生活が楽になりません。どうにかしてください」

 自由記入欄に書かれたコメントはまるで悲鳴のようだ。調査は長引くコロナ禍で、弱い立場にある人がますます追い込まれている、社会の脆弱(ぜいじゃく)性を映し出す。

 1歳児と5歳児の保護者を対象に昨秋実施された県の「未就学児調査」結果が公表された。子どもの貧困対策に反映させようと、2017年度に続いて2度目の調査となる。

 4人世帯で手取り年収が381万円以上を一般層、381万円未満を低所得層と区分。低所得層のうち「貧困線」を下回る254万円未満を困窮層としている。

 困窮層は1歳児で18・1%、5歳児で26・0%を占め、前回調査から大きな変動はなかった。

 ただ、ひとり親に限ると困窮層が1歳児で67・2%、5歳児で78・7%と跳ね上がり、上昇幅も大きかった。

 不安定な非正規雇用で収入が少ないシングルマザーが多いためだが、勤務先の休廃業など新型コロナウイルス感染拡大が追い打ちをかけた。

 感染拡大前との収入比較で、ひとり親世帯など低所得層ほど減収幅が大きく、打撃の大きさが浮き彫りになった。

 もともと困難な状況にあった人たちが、さらに支出を削り、ぎりぎりのところまで追い詰められている。

 冒頭の悲痛な声は、それを如実に表している。

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 人間形成にとって重要な乳幼児期を、子どもたちはどのように過ごしているのか。

 食料が買えなかった経験が5歳児保護者全体では19・3%だったのに対し、ひとり親世帯は39・7%に上った。小学校入学に向けて「ランドセルなどの購入費が不足しそう」と答えた人も困窮層では半数近くとなった。

 就学前の貧困は、就学期の貧困よりも子どもの将来に大きく影響するとされている。政治が手を差し伸べなければならない。

 政府は昨年、コロナの打撃が大きい低所得のひとり親世帯に臨時特別給金を2回出した。ことし3月に決定した3回目の給付金には、困窮するふたり親世帯も加わった。

 しかし臨時的措置ではとても足りない。根本的問題は低所得世帯やひとり親家庭への公的支援の乏しさである。子どもの貧困解決のためにも継続的支援が必要だ。

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 感染拡大による外出自粛の影響もあるだろう。調査からは親たちの孤独感やストレスがひしひしと伝わった。

 「慢性的な疲労を感じる」は低所得層で多く、しつけで「感情的な言葉でどなった」という割合も高かった。

 大事なのは子の利益が最大限尊重されるよう配慮することだ。

 NPOなどとも連携しながら、電話、メール、SNSなどあらゆる手段を使って相談先を周知してもらいたい。支援につながりにくい人とつながる、一歩踏み込んだ対策が求められる。