米軍普天間飛行場所属のUH1ヘリコプター1機が2日深夜、うるま市勝連の津堅島の畑に不時着した。民家から約120メートルしか離れていない場所である。

 「故障しているようなエンジン音」「雷が落ちたようなごう音だった」。民家上空を通過する異常な音が住民を恐怖に陥れた。

 大惨事にもつながりかねない事故であり、政府・米軍には同型機の飛行停止を要求する。

 普天間所属機による事故は過去にも頻繁に起きている。

 2016年12月にはオスプレイが名護市安部の海岸に墜落、大破した。17年10月、CH53大型ヘリが東村高江の民間地に不時着し炎上、12月には普天間第二小学校の運動場にCH53の窓枠が落下した。

 18年1月には、伊計島の海岸に同型機のUH1、数日後にはAH1ヘリが読谷村内のホテル近くに不時着した。

 県によると復帰後、米軍機関連事故(2020年12月末現在)は、ヘリなどで145件、固定翼機などを含めると826件に上る。このうちUH1は18件だ。

 今回の不時着について、在沖米海兵隊は「操縦士が機械的な問題が発生した可能性があると判断し、予防着陸した」と説明している。

 深夜に一体何の訓練をしていて、どんなトラブルがあったのか。ごう音を響かせながら、住宅地に近い場所に不時着せざるを得ないというのはよほどの理由があったのか。

 米軍は早急に事故原因を明らかにし、県民に公表すべきだ。

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 日米が合意した航空機騒音規制措置(騒音防止協定)では、午後10時~午前6時の飛行は「必要最小限に」制限されている。事故機は協定で定められた時間外に飛行していたことになる。

 津堅島訓練場水域では、うるま市や県が抗議しているパラシュート降下訓練も常態化している。

 住民が「普段からよく低空飛行をしているのを見ていて、危ないと思った」と話すように、日常の暮らしが脅かされている状態が続く。

 日本政府は、基地の過重負担を強いられている沖縄の現状を踏まえ、米側に強く働き掛け、実効性ある再発防止を求めるべきだ。

 玉城デニー知事は先月、来年の復帰50年を前に、基地の整理縮小を国に要請したばかり。全国知事会などを巻き込んで、基地の負担軽減の取り組みの機運を高めることも必要だろう。

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 岸信夫防衛相は3日、今回の不時着事故で、「地域に不安を与える」として、米側に徹底的な整備・点検実施と安全管理の徹底を申し入れた。しかし、飛行停止などは求めていない。繰り返される事故への危機意識に欠ける。

 うるま市の中村正人市長は、原因究明が明らかでない場合は飛行停止を求めるとした。県議会も抗議決議する構えだ。

 人身事故が起きてからでは遅い。「もっと低い所を飛んでいたらどうなったか」。米軍機が頭上を飛ぶ住民の日常を日本政府は直視すべきだ。