社説

社説[再びコロナ休校]学び止めない手だてを

2021年6月5日 08:52

 感染拡大を食い止めるためには仕方あるまい。しかし、子どもたちの「学び」まで止めてはならない。

 玉城デニー知事が県立高校、特別支援学校を7~20日の2週間、原則休校にすると発表した。

 市町村にも同様の対応を要請し、4日、22市町村が小中学校の休校を決めた。

 今回の全県的な学校休校は、県独自の判断で、全国一斉休校措置が取られた昨年以来、およそ1年ぶりとなる。

 県内の新型コロナウイルスの感染状況は深刻だ。

 最近目立つのは10代以下の感染の広がりである。4日に発表された新規陽性者247人のうち10歳未満と10代を合わせると66人で、全体の3割弱になる。

 クラスター(感染者集団)が発生し、学級閉鎖する学校も相次いでいる。

 コロナ病床は満床に近く、このまま増加が進めば、医療崩壊が起きかねない。

 今ここで食い止めなければ大変なことになる-。そんな危機感を多くの県民が共有しているはずだ。

 子どもの命や健康を守るため、集団生活の場で、感染リスクが高くなりやすい学校を一時的に休止するのはやむを得ない。

 一方で、子どもたちは一番重要な学びの場を失うことになる。

 新学年が始まっておよそ2カ月。やっと新しい生活や勉強に慣れてきたころだ。

 子どもたちの学びが途切れないよう、学校現場、行政を挙げて取り組む必要がある。

■    ■

 県は休校中の学びの保障として、オンラインを活用した学習支援を学校に求めた。

 インターネット回線を通して行う「オンライン授業」は自宅にいながら受けられる。関心事や理解度に応じて、子どもたちが自分のペースで学べるメリットもある。

 一方で課題も多い。

 まずパソコンやタブレットなどの機器が必要になる。これに関しては、全国の小中学生に1人1台を配備する文部科学省の「GIGAスクール構想」で整備が進んでいる。

 各家庭のインターネット環境も必要だ。

 このほか、教師にはICT(情報通信技術)を使いこなす力が要るし、子どもたちには正しい情報を選択したり、危険から身を守る力を身につける教育も必要になる。

 県や市町村は、オンライン授業を行える環境づくりが学校現場でどの程度進んでいるかを調べ、遅れているなら早急に構築するべきだ。

■    ■

 休校を巡る今回の県の対応には疑問の声もある。

 玉城知事は当初、慎重姿勢だったが、専門家会議の声に押される形で一転、休校を決断した。

 休校開始の7日まで、平日の準備期間はたった1日。教師や保護者からは「あまりに急」、市町村長からは「事前に意見を聞くべきだった」と批判の声が上がった。

 学校の休校は児童生徒だけの問題ではなく、仕事を休まざるを得ないなど、保護者への影響も大きい。家庭の事情に寄り添った、きめ細かな対応が必要である。

連載・コラム
記事を検索
注目コンテンツ
復帰のエピソードお寄せください
復帰のエピソードお寄せください
日本復帰にまつわる体験や、半世紀を振り返っての思いなどをお寄せください。
SDGs企画「未来へ#いのちを歌おう」
SDGs企画「未来へ#いのちを歌おう」
Kiroro玉城千春さんが沖縄県内の小・中学校を訪ねて、夢、命の尊さを届けます。
不器用トーク・アーカイブ
不器用トーク・アーカイブ
不器用トークのアーカイブページです。毎月1回、まさに今、現場で取材している記者たちが、それぞれのテーマについて熱く語ります。
楽でお得でポイント高し!
楽でお得でポイント高し!
「オール電化」はセイカツをどうカエルのか?護得久栄昇先生がオール電化生活の安心・お得な魅力を探った。
”コトバチカラ”特設サイト
”コトバチカラ”特設サイト
人々を勇気づけるアスリートのコトバを発信している特設サイト
命ぐすい 耳ぐすい
命ぐすい 耳ぐすい
沖縄県医師会の各分野の医師による医療・健康に関するコラム
胃心地いいね
胃心地いいね
沖縄タイムスの各市町村担当の記者が、地域で話題のお店や人気グルメを食べ歩きます。
アクロス沖縄
アクロス沖縄
東京発 各分野で活躍する情熱県人らを紹介
ワールド通信員ネット
ワールド通信員ネット
世界各国の沖縄県系人の話題を中心に、海外通信員が各地のニュースをお届けします
マンガ家大城さとしが行く!沖縄のじょ~と~企業探訪
マンガ家大城さとしが行く!沖縄のじょ~と~企業探訪
おばあタイムスでおなじみのマンガ家・大城さとしさんが長編マンガで沖縄の企業を紹介するシリーズ企画です。