沖縄県と沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は、国内外の観光客を満足させる質の高いサービスを提供できる人材育成を目的に、県内の観光関連企業・団体が実施する社内研修に対して助成金を交付する「観光人材育成プラットフォーム構築事業(派遣講師活用支援)」を展開しています。同事業を活用し、従業員のスキルアップを図っている県内企業を2回にわたり紹介します。1回目は県内レストランチェーンの老舗エイアンドダブリュ沖縄(A&W)です。

(企画・制作 沖縄タイムス社広告局)

 

 A&W(浦添市、平良健一社長)は2014年度から同事業を活用し、社内で「語学」や「接遇・マナー」などの研修を実施しており今年で3年目になります。同社は外国人観光客の来店が年々増えており、特に豊見城市の「アウトレットモールあしびなー店」は来客の7割をインバウンドが占め、その大半が中国系観光客だそうです。そのため、15年度からはインバウンド対応に重点を置き、外国語(中国語、英語)の研修に力を入れています。
 同社経営戦略部の上地江美子トレーニングセンター長によると、同店には当初、中国語を話せる従業員がいなかったため、対応に四苦八苦。接客担当者の語学力向上の必要性を感じたものの、自社で一から育成するのは厳しい現状だったため、同事業を活用したそうです。
 本年度の研修は10月から来年2月までの計16回、豊見城市内で開かれており、同社は従業員15人を受講させています。講師歴10年の李艶姫(り・えんき)さんが「声調」「現場会話」「数字・金額の伝え方」「トラブル対応と誘導」などを実技を交えながら教えています。受講生は李さんとのやりとりの中で、言葉だけでなく、中国人マナーの背景にある文化などについても自然と学ぶことになります。
 「言葉の通じない外国人にいろいろ聞かれると動揺してしまいます」と苦笑いするのは新入社員の譜久原省吾さん(24)。バイト生などの模範になりたいと研修を休まずに受講しているそうです。「先日、中国人観光客相手に細かな料金システムを説明することができました。基礎的なフレーズと誠意があれば伝わるんだなと感じました」と早速手応えを得ていました。


■A&W経営戦略部トレーニングセンター長の上地江美子さんの話

 

 接客外国語を学ぶということは何もインバウンド対応のためだけではありません。インバウンドの方に適切な対応ができることにより、ほかのお客様にも迷惑をかけることなくスムーズなサービスが可能となるので、会社全体のサービス力の底上げだと認識しています。さらに外国語を学ぶことは、お客さまが何を求めているのかを真剣に考えることにもつながるので、従業員が接客の原点に立ち返ることができるというのが事業を活用する一番の理由かもしれません。基本的な外国語を学ぶだけで接客に余裕が出てきます。現場作業と並行することで従業員の表情にも自信が表れてきます。5年計画をめどに育てていくつもりです。

■育人(はぐんちゅ)登録講師 旭中国語教室の李艶姫さんの話

 

 外国人観光客は声が大きく要求もシビアなので接客する側は身構えてしまいがちですが、接客は何より気持ちが大事です。笑顔で話し掛ければきっと通じます。受講生には、まず研修で学んだ簡単なフレーズから声に出してみるよう呼び掛けています。外国人観光客も不慣れな沖縄に来て不安なはずです。そういう相手の立場に配慮する「おもてなし」の心が一番大事だと伝わるよう、研修では心掛けています。


講師謝礼の8割を県・OCVBが助成する同事業への本年度の研修実施期間は平成29年2月15日まで。

(2回目の掲載は平成29年1月中旬予定)

【事業に関するお問い合わせ先】

一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー 国内事業部受入推進課観光人材育成センター(神山、冨井)

☎098(859)6129、ファクス098(859)6222

育人(はぐんちゅ)サイト https://jinzai.ocvb.or.jp/hagunchu/

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