「防人」の肖像 自衛隊沖縄移駐50年](25) 第2部 浸透の境界線 慰霊観 (下)

 正午の鐘が鳴り子どもたちが平和を願うオオゴマダラを晴れた空に放つ。大人たちは黙とうをささげた。

 2007年の慰霊の日、糸満市摩文仁の平和祈念公園。沖縄全戦没者追悼式では県や政府などの代表者の名前が読み上げられ、戦没者へ花を手向けた。

 席にじっと座ったまま、その様子を見ていた人物がいた。航空自衛隊南西航空方面隊の前身、南西航空混成団の山川龍夫司令官。沖縄の自衛隊で最も階級の高い「空将」は、名前を呼ばれることはなかった。

 「なぜ私は献花できないのか」。式典後に漏れた司令官の言葉に、部下が動いた。...