大注目の沖縄アーティストを沖縄カルチャーの広告塔 幸田悟がインタビューで深掘りする連載企画「幸田悟の沖縄音楽旅行+プラス」第六弾!! 今回は、きいやま商店へのスペシャル・インタビューをお届けします!!

きいやま商店が、3年ぶりの新作となるミニアルバム『アカサタナ』を2021年4月28日にリリース!! 盟友、ナオト・インティライミをプロデューサーに迎え、きいやま商店らしさはそのままに「笑えて 泣けて チルれる」新しいオキナワン・ミュージックが完成した。コロナ禍において、モチベーションを維持しながら活動を続けるきいやま商店への沖縄音楽旅行プラスならではの深堀りスペシャル・インタビュー! 

―― きいやま商店の沖縄音楽旅行登場は、2018年7月にリリースした『オーシャンOKINAWA』のリリースインタビュー以来、約3年ぶりのインタビューとなります。まずは、それ以降の大きなトピックスについて話を聞きます。まず、2019年の5月には大阪で10月には沖縄で、憧れの「ドリフターズ」のように音楽とコントを融合させた 「きいやま商店大爆笑劇場!」を開催しました

だいちゃん ずっと僕らは、ドリフターズみたいになりたいなと思ってたので、コントの公演が実現したことが単純に嬉しかったです。しかも初舞台は笑いの聖地大阪での開催で、しかも2デイズ! 音楽のライブでさえも、大阪のワンマンライブで2デイズはなかったのにですよ(笑)。

マスト 音楽のライブでは、MCがウケなくても音楽で取り返せるけど、コントはそうはいかない。大阪に着いた瞬間、プレッシャーで「帰りたい」と思いました(笑)。

リョーサ  メンバーみんな、嬉しいという気持ちと、公演に対する不安がありました。でも、キャストやスタッフの方々に支えられて、なんとか本公演を迎えたという感じです。特にツッコミ役を担当した、よしもと新喜劇の高井俊彦(元ランディーズ)さんの存在は大きかったです。僕らはど緊張のなかの前日のリハ。初顔合わせの初練習だったのですが、ツッコミのタイミングとか絶妙で、半端なくすごくて……。そのおかげで本番への不安が吹き飛び、テンポ良く楽しく演じることができました。そして公演本番では、大爆笑!! 「ヤッター!」という充実感でいっぱいでした。

だいちゃん ほんと、高井さんのおかげ。全てを受け止めてくれるので、安心してステージで演じることができました。

マスト この経験があったから10月の沖縄公演は、とてもリラックスして、より僕ららしい 「きいやま商店大爆笑劇場!」が実現できたと思います。

―― 脚本家の徳田さんとの出会いも大きかったですよね

マスト 徳田さんは、よしもと沖縄花月の「おきなわ新喜劇」の脚本を担当してて、その内容がとても面白いんです。きいやま商店として「おきなわ新喜劇」に出演させていただいたときの打ち上げで、「いつか、ドリフターズのようにコントの舞台をやりたい……」なんて夢を語ったら、すぐに脚本を書き上げてきたんですよ(笑)。それがまた面白い! 「さすが、これがプロの仕事だ」と思いました。

リョーサ コントで苦労したところは、徳田さんの脚本を昇華して自分たちの言葉として演じていくという点。脚本がとても面白いので、それをどうやって自分のセリフにしていくかというところは、とても悩みました。

だいちゃん 「僕たちのセリフでウケるのか?」という不安もありましたが、しっかりサポートしてくれて……。徳田さんがいなければ、コントのステージは実現しなかったと思います。

―― 本業の音楽活動では、マレーシア、台湾、タイなどアジアでもイベントに参加し活躍の場をどんどん広げていきました

だいちゃん マレーシアで開催したジャパンエキスポは面白かった! マレーシアはという国は人種のるつぼなんです。野外のステージでやったんですけど、いろんな言語が飛び交って、「ここはどこ」って思うくらい、あまりにも多国籍(笑)。たくさんのお客さんが僕らのステージの周りに集まってくれました。

リョーサ ライブは、すごく盛り上がったな! 言葉もわからないのに一緒に歌ってくれたり。

マスト 「俺ら世界で売れるな」とマレーシアのステージで感じました(笑)。

だいちゃん それがキッカケで「来年はフランスで!」とオファーが来たり!

マスト タイでもアイドルとテレビ出演させていただいたりと、「ヤイマ(八重山)から世界へ」が実現しつつあるなという手応えを感じてました。

リョーサ 「2020年は、明るいどー!!」と思ってたんですが……。

―― そんな矢先、2020年、世界中が新型コロナウイルス感染症のパンデミックに陥りました。きいやまとしては、どこにベクトルを向けたのですか?

だいちゃん 4月に緊急事態宣言が出てから、「ステイホーム」を推奨しているし、ひたすら配信に取り組んでました。

リョーサ 3月から4か月間、メンバーとも会えなかった。ほんとにずっとこのまま会えなくなるんじゃないかと思いました。

マスト 僕は石垣にいたんだけど、逆にこれはチャンスと思いました。「何もしなくていい」なんてことは、人生においてなかなかないじゃないですか?だから、ここぞとばかりに釣り、ひとりキャンプ、畑仕事など、やってみたかったことをひととおりやりました。

だいちゃん 7月に入ってようやくきいやま商店としてメディアの仕事を中心に動き始めたんだよな。ひさしぶりにリョーサにあったらヒゲがすごいことになってた(笑)。

リョーサ 「100日後に剃る俺」という企画でヒゲをずっと伸ばしてて、NHK(沖縄放送局)の番組収録途中でちょうど100日目がやってきて、剃るところを収録してもらいました。頭を(笑)……。(※詳細はリョーサのfacebookタイムラインをご確認ください)

マスト ひさしぶりにメンバーに会って「やっぱりきいやまは面白いな」と思いました。「ひとりでは生み出すことができない世界観がある」、そんなことを再認識しました。

―― そして、アルバムの制作に入ります。今回、ナオト・インティライミさんをプロデューサーに迎えました。きいやま商店との関係、プロデューサーを依頼する経緯を教えてください

だいちゃん ぼくとマストが東京に住んでたころなので、約20年くらい前にナオトと知り合いました。当時、彼も全然売れてなくて。お互いのライブを行き来したりする仲でした。

マスト 一緒にサッカーやったり、焼肉食いに行ったりとかメチャメチャ仲が良かったな。オファーのキッカケは、僕らの新曲に対して「誰かの意見を聞きたいね」というところからです。「だったらナオトに聴いてもらおう」ということになりミニアルバムに収録されている「海に行こう」を聴いてもらいました。すると「言葉のチョイスはこうがいい、歌い回しはこうがいい」とか、具体的なアドバイスが返ってきました。そのアドバイスに沿って直したらとてもいいんです。「ちょっと待てよ、これはナオトのプロデュースでやったら、すごく良くなるんじゃないか?」ということでお願いしたんです。

だいちゃん ナオトもすごくアイディアに溢れてて、オファーしてすぐに「きいやまのアカサタナ」のデモ音源を作ってきてたんです。実は、僕らがオファーする前からずっときいやま商店のことを考えていてくれて「きいやまに合う曲リスト」とかをストックしててくれてたりとか、ほんとにずーっと前からきいやまのことを考えててくれてたんです!!

リョーサ 自分のことだけでも忙しいはずなんですが、いつ寝てるのかわからないくらいきいやまのことを考えててくれて、アルバム作りは妥協なしの、ノンストップで進行していきました。

―― そんなナオト・インティライミさんの「きいやま愛」だだもれなミニアルバム『アカサタナ』の各曲解説をしましょう