新型コロナウイルスワクチンの一般接種を巡り、接種対象が千人を超える企業や大学を対象にした職域接種の申し込みが8日、全国一斉に始まった。全国では会場単位で414件の申請があったが、沖縄県内は現時点でゼロ。職域接種を実施するには、接種会場や打ち手となる医療従事者を自ら確保する必要があり、対象企業や大学からは「やりたくても進められない」などの声が上がっている。

那覇市の中心市街地

 リウボウホールディングスの糸数剛一会長は感染対策のため「ぜひやりたい」。ただ「医師や看護師が確保できず、申し込みできない状況だ」と声を落とし、県や国に医療従事者の派遣などの支援を求めた。

 琉球銀行は接種対象を2千人規模と想定するが、具体的な場所や日程は未定。実施に向け要件の確認を急ぐ。沖縄セルラー電話も「打ち手」確保の課題に直面しており、担当者は「近隣の会社と連携しながら効率的に接種できる体制がつくれないか」と模索する。

 イオン琉球は「グループ全体で早期に開始できるように場所などを調整中」。トランスコスモスは「調整中だが、場所など具体的なことは決まっていない」という。

 沖縄電力は「自前で医療従事者の確保は難しく、現時点では困難」。担当者は「接種時期のタイミングも含め検討を進める」と話す。沖縄銀行は「副反応が出た場合の対応やワクチンの費用など詳細な条件が明らかになっていない」と指摘、接種場所や医師の確保も見通せず「すぐ決めることは難しい」とした。

 サンエー、金秀ホールディングス、沖縄海邦銀行、りゅうせきも「検討中」または「未定」だ。

 県内の大学からも、打ち手や会場の確保、費用負担などを懸念する声が上がっている。

 琉球大学は、学生も含めて接種対象者が1万人を超えるとし「医者や会場の確保、経費などの課題もある。ぎりぎりまで検討したい」。名桜大は構内に医者や看護師がいるが、対象者が2千~3千人もいるとし、大学で接種可能か検討する。沖縄キリスト教学院大学・同短大は「産業医はいるが常駐ではなく、条件がクリアできていない」として、キャンパスでの接種は予定していないとした。