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ウミガメの死体、ペットボトルキャップをかぶるヤドカリ…切ない気持ちに 小中学生4人が始めた砂浜清掃

2021年6月11日 06:00

 「空き缶1、釣り具1」。毎週月曜夕方、沖縄県南城市知念の海岸で、ごみを分類して数えながら拾う子どもたちの声が響く。コロナ禍に伴う昨年3月の臨時休校期間中から、地元の小中学生4人が始めた砂浜清掃が継続中だ。運動不足解消を目的に始めたボランティアは自然を見つめるきっかけとなり、現在は分別したごみの量を記録して全国的な環境保全団体に報告。4人は「楽しみながらだから続けられる」「家を片付ける感覚」と自然体で語る。(南部報道部・松田興平)

南城市知念の海岸でごみ拾い

南城市知念の海岸でごみを拾い続ける(左から)具志堅咲羽さん、志喜屋ももさん、具志堅塁さん、吉田陽季さん=5月31日午後7時ごろ

南城市知念の海岸でごみ拾い 南城市知念の海岸でごみを拾い続ける(左から)具志堅咲羽さん、志喜屋ももさん、具志堅塁さん、吉田陽季さん=5月31日午後7時ごろ

 メンバーは近所に住む具志堅咲羽(さわね)さん(14)=知念中3年=と塁さん(10)=知念小5年=のきょうだいと、吉田陽季(はるき)さん(12)=琉大付属中1年、志喜屋ももさん(10)=知念小5年。

 今年から「エコホヌ」というグループ名で活動。ごみは細かく記録して毎月、海洋環境保全に取り組む一般社団法人「JEAN(ジーン)」(東京都)へ報告する。

 昨年の休校期間中、気晴らしを兼ねて志喜屋漁港近くの砂浜で清掃を始めた。4人にとって海は幼いころからの「庭」。休校中は週3回、今は毎週月曜の放課後に砂浜へ繰り出す。毎回45リットルのごみ袋3~4袋が満杯になる。この現実がメンバーを海へと向かわせる。

 咲羽さんは「休日明けの月曜は特に釣り具のごみが多い。拾っても拾っても終わらないけど、誰かがけがをするかもしれない」と、トングでごみを挟む。

 吉田さんは清掃する月曜だけ部活動を休む。「海は生活の一部。自分の部屋が散らかしっぱなしだと嫌な気分になるのと同じ感覚。捨てる人は小さなごみぐらい、と思っているかもしれないけど、海の生き物にとっては大きなごみ」と懸念する。

 ごみが要因かどうかは分からないが、4人はこれまで清掃中にウミガメの死体を見かけたほか、ヤドカリがペットボトルのキャップを殻代わりにかぶる様子を見るなど、切ない思いを抱いてきた。

 カニと戯れながら清掃していた塁さんは「海の生き物がごみのせいで死んでしまったら悲しい」と砂浜を見渡す。

 そうじの充実感、環境の変化への不安など複雑な感情を抱きながら続けてきた。志喜屋さんは「今では無意識で砂浜に来てしまう」と語る。

 志喜屋さんの母理恵さん(48)が引率役として4人を見守ってきた。「多くの人に子どもたちの行動を知ってもらいたい。地道な活動が少しずつ各地に広がってくれたら心強い」と期待を寄せた。

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