社説

社説[コロナ下の子ども]心の健康にも目向けよ

2021年6月11日 07:42

 新型コロナウイルスの感染拡大が、子どもたちの学びと育ちに及ぼす影響が心配だ。教育の機会が失われないよう、ストレスをため込まないよう、目配りと支援を求めたい。

 若者への感染拡大を防ぐため、県立学校をはじめとする多くの学校で、今週初めから休校が続いている。

 やむを得ない措置とはいえ、小中学校ではオンライン授業の準備が間に合わなかったところが大半だ。保護者からは学習の遅れやオンライン授業を実施する学校との進度の差を懸念する声が漏れる。

 国の「GIGAスクール構想」によって、小中学生への1人1台のパソコン配備は3月までにほぼ完了している。

 しかし県教育庁の4月の調査で「オンライン授業ができる」と回答した小中学校はわずか1・5%。「データなどで教材や宿題を提供できる」を合わせても11・8%にとどまっている。調査では「端末設定が終わっていない」「コロナ対応で研修時間が取れない」といった悩みも寄せられた。

 多くの学校では初歩的な学習を始めたばかりで、授業のノウハウも十分浸透していない。今回は安全な使い方を優先し自宅への端末持ち帰りを見送ったところが目立った。

 GIGA構想は前倒しされたものの教員研修や家庭における通信環境の整備といった、現場が抱える課題への対応が追い付いていないのだ。

 そのため学校では急きょ宿題のプリントを用意するなどの対応に追われた。今後夏休みの短縮なども検討しているというが、「学習機会の保障」からは遠い状況だ。

■    ■

 学ぶ権利と同時に、子どもの心の健康にも目を向ける必要がある。

 昨年の一斉休校時、本紙が県内の児童生徒に尋ねたアンケートでは「勉強の遅れ」よりも、「友だちと会えない」ことや「就寝・起床が遅くなった」ことを気にする声が多かった。「イライラが増えた」「家族のイライラが増えた」との回答も一定数あった。

 部活動が中止になったり、学校行事が縮小されたり、さらには人との触れ合いが減る中、子どもたちは知らず知らずのうちにストレスをため込んでいたのではないか。

 親の失業や減収など家計の悪化や家庭環境の変化に不安を感じている子もいるようだ。

 教師が小まめに連絡を取り、必要であれば家庭訪問をするなど、つながり続ける工夫が問われている。 

■    ■

 休校中の子どもをサポートしようと、民間団体による弁当配布などの動きが広がっているのは心強い。

 子ども食堂や学童など、居場所の重要性も改めて浮き彫りになった。

 多くの学校が、県に発令中の緊急事態宣言の期限となる20日まで休校する予定だ。

 昨年来、断続的に続く休校では、学校再開後、クラスになじめず、うまく適応できないケースも見られた。

 大人の側から声掛けの機会を増やし、いつも以上にしっかりと見守りたい。

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