【ジョン・ミッチェル特約通信員】米軍当局が沖縄県内の米兵とその家族に対し、基地内の飲料水が有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)に汚染されているとの情報を隠蔽(いんぺい)していることが、沖縄タイムスが入手した文書で分かった。

嘉手納基地

飲料水の水質についてPFOSなどの濃度を詳述し「汚染源として泡消火剤の可能性が高い」と記していた2016年の報告(上)が、2017年の報告(下)では「さびや油分、熱、水に耐性のある製品」という記述に変更された

嘉手納基地 飲料水の水質についてPFOSなどの濃度を詳述し「汚染源として泡消火剤の可能性が高い」と記していた2016年の報告(上)が、2017年の報告(下)では「さびや油分、熱、水に耐性のある製品」という記述に変更された

 嘉手納基地が2016年にホームページ(HP)に掲載した飲料水の水質に関する報告は、PFOSのほか類似のフッ素化合物PFOA(ピーホア)の濃度を詳述した上で、汚染源として泡消火剤の可能性が高いと記していた。ところが翌年の同報告では泡消火剤への言及が消え、「さびや油分、熱、水に耐性のある製品」というあいまいな説明に変更された。

 最新の19年の報告ではPFOAとPFOSに関する全ての言及が削除されている。「身内」に対しても汚染を隠し、軍が使う泡消火剤が原因であることを否定しようとしているとみられる。

 米情報自由法により入手した軍内部の電子メールによると、16年当時、同基地幹部らはPFOSに汚染された水を飲んでいると子どもを持つ兵士たちに知られた場合、どのような反発が起きるかを懸念していた。一連のやりとりの結果、同基地は兵士たちに対し、飲料水の安全性を保証する内容の告知を公式HPに掲載することにした。

 ある空軍幹部はこの対応を、13年に同基地内の学校と隣接する沖縄市諸見里のサッカー場土中から、有害物質を含む大量のドラム缶が発見された際と比較検討していた。米空軍はこの時も、見つかったダイオキシンについて健康への危険を矮小(わいしょう)化する発表文をオンライン掲載した。16年の軍内部のメールにはまた、ある空軍の環境技術者が汚染問題を軽く見せようと「PFOSというたわ言」と言及したものもあった。

 沖縄タイムスは米軍当局にコメントを求めたが、10日時点で回答はなかった。