認可保育園や認定こども園への入園を希望しても入れない県内の待機児童数が、4月1日時点で過去最少の564人(速報値)だったと県が発表した。

 6年連続の減少で、減少幅は58・7%と過去最大だった。

 沖縄の待機児童問題は深刻で、解消は長年の課題だ。県の掲げる2021年度末までの「待機児童ゼロ」の目標に近づいたことは評価したい。

 大きく減少した背景には、保育施設の大幅増がある。市町村は国や県の補助金で施設整備を加速させており、県全体の定員数は直近5年で1・5倍に拡大した。

 こうした対策などが実り、待機児童ゼロの自治体は21市町村に上った。このうち石垣市は、15年度に最大206人いた状況から改善に努め、今年ゼロを達成した。南風原町、那覇市、北中城村なども大幅に減らした。

 ただ、県全体を全国と比較すると喜んでばかりもいられない。申し込んだ子どもに対し待機児童が生じた割合を指す「待機児童率」は0・91%。昨年4月時点の全国平均0・44%の2倍超となっている。

 待機児童には集計されない「潜在的待機児童」にも目を向けなければならない。このうち、きょうだいで同じ園を望むなど特定の保育所を希望する子どもは1157人もいる。

 本来は誰もが希望する施設に入園できることが望ましい。市町村にはできる限り、それぞれの家庭の保育ニーズを満たす対応を求めたい。

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 待機児童の解消には、保育士の確保も欠かせない。

 だが、保育士不足は深刻だ。4月時点で143施設の保育士316人が足りず、計1240人の定員割れが生じた。

 せっかく施設をつくったのに子どもを受け入れられない状況は、何としても解消すべきだ。

 保育士不足は全国的にも顕著で争奪戦が起きている。一方で資格を持ちながら保育士として働いていない「潜在保育士」も少なくない。

 幼い子どもの安全を預かる重責にもかかわらず賃金が低いことや、休みの取りづらさなどが要因とされる。

 政府も処遇改善に取り組んでいるが、保育の質向上のためにも、さらなる対応を求めたい。新型コロナウイルス感染拡大で保育士の負担が増している実態も考慮すべきだ。

 県や市町村も連携して働きやすい職場環境づくりや復職を支援し、県全体の「ゼロ実現」を確実に果たしてもらいたい。

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 昨秋実施された県の「未就学児調査」では、保育所などを利用していない1歳児の割合は、低所得層ほど高いことが明らかになった。

 子どもを預けて働く必要性は一般層よりも高いとみられるのに、どういうことなのか気掛かりだ。

 保育に関する情報が届きにくい、などの理由で通わせられず、結果として保護者が就労できないとすれば経済格差が広がりかねない。その影響は子どもにも及ぶ。市町村は実態を把握し支援につなげてほしい。