[県歯科医師会コラム・歯の長寿学](313)

イラスト・いらすとや

 「反対咬合(こうごう)」は下の前歯が上の前歯より前に出て、かみ合わせが逆になっている状態をいいます。乳歯や永久前歯が生えそろう時期(成長期)に開始する場合と、永久歯が全て生えそろって成長にめどがたった時期に開始する場合の二つの時期の治療が一般的です。

 【成長期の矯正治療】乳歯の反対咬合は永久前歯萌出時に自然に治ることもあり一般的には経過観察ですが、上下のアゴの前後的なズレが大きく、放置しているとどんどん悪くなる場合や交叉(こうさ)咬合(奥歯が上下逆の状態)があり、成長に伴い下アゴが左右にズレる可能性がある場合は、横向き寝や頬づえの癖など(態癖)があればその改善を指導した上で積極的に矯正治療を行うこともあります。上下のアゴに問題がある場合は、主に夜間就寝中に顔の前に装置を装着して上アゴを前方に成長させる上顎前方牽引(けんいん)装置を使用します。寝相が少々悪くてもまず大丈夫で家族以外の人に見られる心配もありません。短期の旅行などでは装着しなくても構いませんが継続することが大切です。低年齢ほど効果が高く、通院は1~2カ月に1回で1~2年、時にそれ以上使用します。

 歯の位置に問題がある場合は主に、夜間就寝中のマウスピースや歯の裏側から上の前歯を前に押し出すリンガルアーチ、直接前歯の表面にボタンのような装置(ブラケット)を付けて治療することもあります。通院は1カ月に1回で1年前後使用します。

 【成長にめどがたった時期の矯正治療】上下全ての歯にブラケットとワイヤを装着するマルチブラケット装置が主役です。永久歯を抜歯する場合もあり、1カ月に1回、通院は2年前後です。上下のアゴのアンバランスが大きい場合は、アゴの手術と矯正治療を併用する外科的矯正治療を行うこともあります。その後は、歯の裏をワイヤで固定したり、マウスピースを使用して歯並びを維持安定するアフターケアが必要です。3カ月に1回、2~3年前後の通院が必要です。(山内昌浩 山内矯正歯科クリニック=嘉手納町)