目を開けると、白いタイルの壁が見えた。頭に鈍い痛みを感じながら、ここはどこだろうと明香里は周囲に視線を巡らせた。壁の手すりと洗面台が目に入り、多目的トイレの中だと思い出す。  足もとに置いたトートバッグの中から振動音が聞こえる。バッグからスマホを取り出すと母から着信している。