体の性と心の性が一致しない「トランスジェンダー」について、沖縄タイムスが当事者90人にアンケートを実施したところ、46・7%が「職場でハラスメントに遭った」と回答した。本人に同意なく第三者へ暴露される「アウティング」を経験した人は25・6%だった。「メンタルヘルスの不安を抱えている」と答えた人は37・8%に上った。トランスジェンダーは自認する性別と見た目や書類上にギャップが生じやすく、LGBTなど性的少数者の中でも特に、就労の困難を抱えがちだ。(学芸部・嘉数よしの)

職場でハラスメントに遭ったことがあるか

メンタルヘルスの不安や課題があるか

どんなハラスメントを受けたか

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 アンケートは、性の多様性への理解を促進する「プライド月間」が1日から始まったのに合わせて実施。県内の当事者団体や病院などの協力を得て、18日までに10~60代の90人から回答を得た。

 「職場でハラスメントに遭ったことがある」と答えた42人(46・7%)のうち、「女らしさ・男らしさに関して、誰かが決めつける発言を見聞きした」人は26人(60・5%)。「同性愛や両性愛に関するネガティブな発言を見聞きした」人は17人(39・5%)、「自分の性の在り方やパートナー関係について、からかわれたり、侮辱的な発言を受けたりした」人は12人(27・9%)いた。

 トランスジェンダーの人は、就職活動でのスーツ着用や公的書類などからの性別判明が高いハードルとなるため、不安定な雇用環境にいる人が少なくない。「収入面で生活に支障を来している」と答えた人は32人(35・6%)で、具体的な困りごとは、「ホルモン治療などの費用を工面できなかった」が19人(50%)。「カードローンや金融機関からお金を借りた」「携帯電話代などの通信費を滞納した」人は、それぞれ10人(26・3%)で、「水道、電気、ガス代等を滞納した」経験がある人は、6人(15・8%)だった。

 職場でカミングアウトしている、と答えた人は61人(67・8%)で、その対象は、上司が最も多く、同僚、雇用主が続いた。

 アンケートはLGBTの就労などを支援する認定NPO法人「色ダイバーシティ」と、国際基督教大学の共同研究調査(2020年)を参考に作成した。