社説

社説[ワクチン接種低迷] 職場接種進め加速化を

2021年6月19日 08:50

 県の新型コロナウイルスワクチン接種率が低迷している。

 65歳以上の高齢者の1回目接種率は17日現在、34・84%で都道府県別で7番目に低い。医療従事者を除く全世代では8・56%で1割に満たず、全国で最も低い。

 県は人口10万人当たりの感染者数が全国最多だ。全国で唯一、緊急事態宣言が3週間延長された。

 なぜワクチン接種が進んでいないのか。

 県は、全世代の接種率が低い理由に、人口に占める高齢者割合が低いことや、離島が多いため接種体制づくりに時間がかかっていることを挙げるが、正式な分析はこれからだ。

 県全体で集団免疫を獲得するためにはワクチン接種の加速化が不可欠。そのためには何が問題で、どこで目詰まりが起こっているか原因を早急に分析し改善を図るべきだ。

 一方、市町村が実施する集団接種以外の選択肢を増やす努力も必要である。

 県が那覇市と宜野湾市に設置した広域接種センターは、ワクチンを早く打ちたい人のニーズに応える選択肢の一つになる。

 東京、大阪には自衛隊が運営する大規模接種センターがある。政府には、医療従事者確保が難しい地方にも同様の支援を求めたい。

 高齢者の接種率全国一の佐賀県は行政と医療機関が協力してかかりつけ医での個別接種を進めており参考になる。

 県は「ワクチン接種加速化計画」(仮称)を近く発表するという。実効性のある内容を期待したい。

■    ■

 もうひとつ、加速化の切り札になりそうなのが職場接種だ。

 働く人には予約する手間が省け、接種日時の調整がしやすいなどのメリットが考えられる。企業は社内から感染者が出るリスクを減らせる。

 ただ、同一会場で千人程度が受けることが基本条件。会場や打ち手は自前で確保しなければならない。

 県内のほとんどを占める中小、零細企業にはハードルが高い。

 実際、申請開始の8日、全国の申請件数は414件だったが、県内は0件だった。しかしその後、業界団体が主体になったり、他業種と連携することで職場接種を実現しようとする動きが出ている。

 働き盛り世代の接種が進めば感染防止の大きな一手となる。県には、企業を後押しする政策を求めたい。

■    ■

 海外で気になる傾向がある。ワクチン接種先行国で再び感染者が増加しているのだ。

 成人のおよそ8割が1回目接種を終え、感染者数が大幅に減っていた英国が再び増加傾向に転じている。感染力の強いインド変異株の急速な拡大とともに2回目接種の遅れが要因にあるという。

 コロナワクチンが十分な効果を得るためには、2回の接種が必要とされる。ワクチンが効果を出すまでには時間がかかるということだ。

 官民の力を総動員して、まずは1回目接種のスピードを上げたい。

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