戦後76年の「慰霊の日」を迎えた23日、県内は20万人を超える犠牲者を追悼し、平和を願う人々の静かな祈りに包まれた。戦没者の名が刻まれた糸満市摩文仁の平和祈念公園内の「平和の礎」には、新型コロナウイルス緊急事態宣言や雨の影響で例年より数は少ないものの、早朝から足を運ぶ人の姿が絶えなかった。梅雨空の下、子どもから高齢者まで幅広い年代の遺族が手を合わせ、戦争で奪われた命の尊さに思いをはせた。

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 公園内の式典広場では午前11時50分から沖縄全戦没者追悼式(主催・県、県議会)が執り行われる。新型コロナ対策で2年連続の縮小開催となり、正午の時報に合わせ、犠牲者に1分間の黙とうをささげる。玉城デニー知事が平和宣言を読み上げるほか、宮古島市立西辺中学校2年の上原美春さん(13)が「平和の詩」を朗読。例年設置される式典終了後の焼香台はない。

 平和の礎は今年新たに県出身38人、県外出身3人の計41人が刻銘され、総数は24万1632人となった。

 不戦を誓い戦後を歩んできた日本だが、再び戦争に巻き込まれるのではないかと危機感を抱く県民は少なくない。高齢化が進み、戦争体験者が県全体の人口の約1割となる中、住民を巻き込んだ地上戦、沖縄戦の実相を風化させず、継承したいと願う体験者の思いは切実だ。今なお沖縄には、国土面積の約0・6%に米軍専用施設の約70・3%が集中し、過重な基地負担が県民生活に影響を及ぼしている。