[働いて生きる LGBTQと共に](3)パワハラの実態

 病院や高齢者施設で作業療法士として勤めて10年。このキャリアがあれば、転職は問題ないと考えていた。だが、就職活動は予想に反して難航した。理由は「性同一性障害だから」。MtF(体の性は男性で心は女性)のサクラさん(39)=仮名=は2年前の求職中、10社以上に採用を断られた。

 「いつから来られますか」「ぜひうちで働いてほしい」。人事担当者にMtFと説明した上で面接に臨み、毎回、好感触を得た。しかし、数日後には決まって「性同一性障害の人を雇ったことがないから」「経営陣の判断で」と断りの連絡が入る。「患者や職員に迷惑が掛かる」と言われたこともあった。

 ハローワークが仲介に入っても状況は変わらない。面接に同行してもらったり、受け入れてもらえそうな施設を探してもらったりしたが、結局は「経営側の問題。好き好んで性同一性障害を抱えて生きてるわけじゃないのに。悔しくて、悲しくて、嫌になる」

 転職を決めたのは、前の職場でパワーハラスメントや差別に遭ったため。...