[命ぐすい耳ぐすい 県医師会編](1257)

 脳卒中には血管が詰まるタイプの「脳梗塞」と、破れるタイプの「脳出血」「くも膜下出血」があります。脳卒中を起こすと、脳に障がいを起こし、手足の運動麻痺(まひ)やろれつが回りにくくなる症状が出ます。

 日本では死因の第4位です。死に至らなくても、起こしてしまった場合、重篤な障がいが残ってしまうことが多いです。介護保険の要介護度5を占める割合は、脳卒中が最も高いのが現状です。

 このことから脳卒中は本人だけではなく、家族や社会に与える影響が大きいのです。

 脳卒中を起こす危険因子となるのは主に動脈硬化につながる病気や生活習慣です。

 具体的には高血圧、糖尿病、脂質異常、肥満、喫煙、過度の飲酒などが挙げられます。そのほか心房細動という不整脈も重要な危険因子です。

 健診や人間ドックを受けた時にこれらの病気が見つかったら、医療機関を受診し、かかりつけ医をつくって治療していくことが大切です。

 中高年で脳卒中の危険因子を持つ方は、人間ドックから一歩踏み込んで、脳ドックを受けてみるという選択肢もあります。

 脳ドック受診は、くも膜下出血の発症予防のための未破裂脳動脈瘤(りゅう)の検出や、脳の動脈硬化や認知症の早期発見が主な目的ですが、今回は脳の動脈硬化について説明します。

 脳ドックでは、脳MRI検査(心臓ペースメーカーなど体内電子装置が埋め込まれている場合は受けられない)や頸(けい)動脈エコー検査などを行います。

 脳卒中の危険因子を持っている場合、症状には現れていない脳梗塞(かくれ脳梗塞)がMRIで見つかったり、頸動脈プラークなどの動脈硬化が見つかる場合があります。

 症状がないうちに早期発見することは、しっかりと危険因子の治療を行い、脳卒中を予防するという目標につなげていくことができます。

 健診や人間ドックを受ける方が多いと思いますが、1度、脳ドックを受けてみてはいかがでしょうか。(崎間洋邦 琉球大学病院=西原町)