オリオンビール(豊見城市)社長の早瀬京鋳氏(53)は29日の株主総会後、オンライン会見に臨み、同日付の退任を正式発表した。退任の理由は「一身上の都合」とした。社長職は当面の間、空席とする。後任には、早瀬氏同様、外部からの起用となる見通し。

早瀬京鋳氏

 オリオンは同日、取締役専務執行役員CMOの吹田龍平太氏54が副社長兼執行役員副社長CMOに、取締役常務執行役員CFOの亀田浩氏(59)が専務兼専務執行役員CFOにそれぞれ昇任する人事も発表。2氏が代表権を持ち、早瀬氏の後任が決まるまでの経営のかじ取りを担う。

 早瀬氏はカナダのスポーツ衣料品メーカー大手「ルルレモン・アスレティカ」の日本法人社長などを歴任し、2019年7月、オリオンの社長に就任した。

 野村キャピタル・パートナーズと、米投資ファンドのカーライル・グループが設立した特別目的会社「オーシャン・ホールディングス」(東京都)が同年3月、オリオンビールを子会社化し、外資系企業でマーケティングの実績を持つ人材として社長に抜てきされた。

 早瀬氏は「第二の創業」を掲げ、県産素材を使ったプレミアムクラフトビール「75(ナゴ)ビール」や、缶チューハイブランド「WATTA(ワッタ)」など、沖縄のイメージを前面に据えた製品を相次ぎ市場に投入。ブランド再構築に注力してきた。

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、取引が多い飲食店などの時短営業や休業が続き、ビール販売は低迷。観光客数の激減で、リゾート事業も打撃を受け、2021年3月期決算の純利益は前期比37・1%減の11億1900万円となった。