国内のメガバンク1行のインターネットバンキングに不正アクセスし、現金3千万円以上を沖縄県内のコンビニなどのATMから盗んだとして、県警は29日、暴力団関係者3人を含む計17人を不正アクセス禁止法違反などの疑いで摘発したと発表した。

逮捕後、那覇署に連行されてきた暴力団関係者(右から2人目)=29日午前10時20分ごろ、那覇署

 県警によると、被害に遭ったネットバンキング利用者は全国で100人以上。まだ摘発していない共犯者が関与したとみられる分を含めると、ATMから引き出された額は5千万円余りになる。捜査関係者によると、被害者の個人口座から不正に別の口座へ移し替えられた額は7千万円以上に上るという。

 17人のうち、県警は29日、指示役とされる指定暴力団旭琉會桜一家構成員の33歳の容疑者=豊見城市、いずれも元旭琉會構成員の44歳の容疑者=沖縄市、36歳の容疑者=那覇市=の3人を不正アクセス禁止法違反、電子計算機使用詐欺、窃盗の容疑で逮捕した。

 県内でサイバー犯罪に絡む暴力団関係者の摘発は異例。県警は捜査に支障があるとして、3人の認否を明らかにしていない。

 被害は2019年9月ごろ~20年2月ごろに発生した。県警は21年1月25日、犯行グループの指示役とされる糸満市の自営業の容疑者(43)ら4人を同容疑で逮捕。5月までに男女13人を逮捕、1人を書類送検した。

 犯行は「スミッシング」と呼ばれる手口。ネットバンキングの偽サイトに、セキュリティー対策などをかたって口座利用者を誘導し、IDやパスワードなど送金に必要な個人情報を抜き取る。

 入手した個人情報を基に100以上の個人口座から別の口座に現金を移し替え、「出し子」と呼ばれる犯行グループの末端に位置する人物にコンビニなどのATMから不正に5千万円以上を引き出させたとしている。県内で被害者は確認されていないという。

 県警は昨年7月から捜査を開始。同8月には被害が確認された神奈川県や福岡県などの8県警と合同捜査に着手した。今年4月には沖縄県警内に特別捜査本部を立ち上げた。

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