石垣市出身でプロ野球西武の平良海馬(かいま)投手が、39試合連続無失点の金字塔を打ち立てた。

 本当にすごい。球史に名を刻む快挙だ。新記録達成おめでとう。

 平良投手は1日、福岡市のペイペイドームで行われたソフトバンク戦で、1-0の九回にマウンドに上がった。先頭バッターを空振り三振に仕留めた後、2安打を許すものの、相手の走塁ミスにも助けられ、最後のバッターをファウルフライに打ち取った。

 この日、開幕から続く無失点試合を39に伸ばした。

 プロ4年目、21歳の若さで、球界のレジェンド藤川球児さんの記録を15年ぶりに塗り替えたのだ。

 試合後のヒーローインタビューで記録達成の要因を聞かれると、短く「運です」と答え、ファンをなごませた。そして記録更新に向けて「一歩一歩頑張ります」と淡々と語った。

 今季はここまで1勝21ホールド11セーブを記録している。

 離島出身で決して恵まれた野球環境にはなかった平良投手の快挙は、もちろん「運」で打ち立てたものではない。

 八重山商工高時代から続けているウエートトレーニングで体重を20キロも増やしたというエピソードが物語るように、黙々と励む練習が大きな結果に結び付いたといえる。

 このたくましい筋肉から最速160キロの剛速球と多彩な変化球が生み出されているのだ。

 努力を重ねる「ミスターゼロ」に、あらためて賛辞を贈りたい。

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 平良投手は2018年、高校からドラフト4位で西武に入団した。

 昨年は54試合に登板して33ホールド、防御率1・87と抜群の安定感でパ・リーグ新人王に輝いた。

 高校時代は部員が足りず試合に出られなかった時期もあった。3年生では県大会で1勝も挙げられなかった。甲子園も経験していない。

 それでも逆境をはね返し、プロに進み、頼もしい守護神へと成長した。諦めない強い気持ちが大きな力となったのだろう。

 08年8月の本紙に甲子園で戦う地元の先輩を応援する8歳の平良少年のコメントが載っている。

 「島の先輩が甲子園でプレーしているのを見てワクワクする。絶対に優勝してほしい」

 今まさに野球に打ち込む沖縄の子どもたちは、平良投手の活躍にワクワクしていることだろう。

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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で県内では、学校の部活動の制限や各種大会の中止が続いている。

 今回の新記録達成は、コロナ禍のしんどい時期に届いた、とびきり明るいニュースだ。

 さらにどこまで連続無失点記録を伸ばせるか。未知の領域へのチャレンジを見守りたい。 

 平良投手は東京五輪で金メダルを狙う野球日本代表にも選ばれている。次は世界を相手にゼロを刻んでいく姿が見られるかもしれない。