沖縄総合事務局の吉住啓作局長(54)が発案した観光ポータルサイト「オキナワンパールズ」の製作を巡り、掲載する各スポットの所在自治体が同局から解説文の校正や撮影協力を求められ「通常業務を圧迫している」との苦情が相次いでいる。中には解説文の“丸投げ”や撮影のやり直し指示もあるという。同局との事前調整が十分ではなかったことが要因とみられ、識者は「国と市町村の連携モデルにもなり得ただけに、残念だ」と話す。(社会部・城間陽介)

沖縄総合事務局が4月に開設した沖縄総合観光ポータルサイト「オキナワンパールズ」のトップ画面(https://okinawan-pearls.ogb.go.jp/)

 吉住局長は本紙に対し「(サイトに掲載する写真は)市町村からもらうこともあるが、ほとんど私が撮影している。解説文の原稿も私が手を入れている」などと語っていた。

 100カ所以上の解説文の校正を求められた本島北部の自治体職員によると、同局がまとめた文章の校正ではなく、白紙に一から解説文を書くよう依頼されることもあるという。職員は「締め切りも一方的に決めてくる。完全に行政の仕事を圧迫しているが、断れない」とこぼし、県内で延べ4千カ所にも上る吉住局長の視察に「趣味としか思えない」と苦言を呈した。

 別の自治体職員は「明らかに業務が増えた」と即答。依頼された場所の写真を撮りに行ったら「別の角度も欲しい」と求められたという。「『ここまでやらないといけないのか』と局職員に抗議した」と話す。

 解説文の校正や写真撮影の依頼は4月下旬のサイト開設以降がほとんど。複数の自治体からは「サイトについて十分な説明もなかった」との声も聞かれる。

 本島中部の自治体職員には、5月中旬ごろ急に校正依頼のメールが届き「地元の魅力を発信してもらえるのはありがたいが…」と複雑な心境を明かす。同様の依頼を受けた離島の自治体職員は「優先順位が高いという認識はない。まだ何も手を付けていない」と話した。

 局広報室は「事実関係を整理中。回答は待ってほしい」としている。

相互理解なく残念

 沖縄大学の仲地博名誉教授(行政法)の話

 本来なら観光ポータルサイトの構築は市町村にとってもありがたい話。沖縄総合事務局と各市町村がいい形で連携できれば、モデルケースにもなり得る。反発があるのなら、サイトのコンセプトの共有や相互理解がないのが原因だ。

 市町村と一緒にサイトを作るなら事前調整が必要で、どこをどのように取り上げてほしいのか、どこは除外するのかなど、市町村の意向や要望を丁寧にくみ取る作業が欠かせない。

 国と市町村は力関係も違う。市町村は国に言われればやらざるを得ず、断るのは難しい。一方的な業務依頼では反発も出て、観光振興にもつながらない。相互協力できれば良い事業になるはずで、惜しいことだ。