ヘイトスピーチのような排外主義は、今の社会の中の居場所に満足していない人たちが、問題の根源を「内」にではなく、「外」に探そうとしている結果。日本では在日朝鮮の人や中国などの外国人、社会的弱者にも向けられる残念な状況。これはおかしい。視野狭窄(きょうさく)に陥らず、問題の本質が本当はどこにあるのか、冷静に見ないといけないはず。

 さまざまな制度疲労がもたらした今の社会のありようはおかしい。でも僕らは聞きたくないことを聞き、「不都合な日本」を直視することから始めなければならない。少子高齢化の問題があり、今後大きな経済成長は見込めない。その中で日本はどう生きて、どんな社会を築いていくのか、真剣に考えるべきだ。

 日本は「課題先進国」であるとポジティブに捉え、克服する方策を実行する。日本は資源、環境、公害など多くの問題を克服してきた実力がある。課題を解決したという形が、世界のスタンダードになるし、世界への貢献にもなる。

 自分たちの問題を直視せず、問題を外に求めようとするのは、どこか「自分は自分のままでいい」「君は君のままでいい」と、自分も他人もリスペクトする環境がないからではないか。常に何かで判断されているようで、ぎすぎすしたコミュニティーになっていないか。そこからどう脱していけるかも課題になる。

 沖縄は交易や移民の歴史、異民族の統治を経験したこともあるが故に、多様性を認めようとする、認めざるを得ないところがある気がする。でも、認めざるを得ないから困ったではなく「いや、多様性を認めて当然でしょ」というベクトルにしていくことが大事だと思う。そのために「異なるもの」とコミュニケーションがしやすい社会になってほしいね。

 【プロフィール】 1958年、那覇市生まれ。本土復帰の1972年、父親の転職で上京した。国際基督教大学を卒業し、ソニー・ミュージックに入社。88年、ラジオ局J-WAVEの開局でナビゲーターに転身。スポーツ、情報番組のMCなど、テレビ、ラジオを中心に多メディアで活躍している。父親は戦後沖縄のラジオアナウンサー第1号の川平朝清さん。弟は俳優でCMなどで活躍する川平慈英さん。

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 沖縄タイムス2017年1月1日新年号掲載の「群星 人をつなぐ島」から抜粋、紹介します。全記事は新年号紙面、または電子新聞でどうぞ。(電子新聞の購読案内はこちら