なんで? 新年早々、独りごちることが多かった。本島中部の東海岸が望める近所の住宅地。狭い道路は、初日の出を拝む人たちの車両で埋め尽くされた。それはいいが、中には歩道の真ん中に駐車する車も。残ったのは散乱するごみ

▼年始回りで車を運転していると、前を走る車の運転手がたばこの吸い殻をポイ捨て。見たくはないが目にとまったそんな光景に、正月気分もふっとんだ

▼極め付きは子どもたちの空手の初稽古を取材したとき。子どもたちが練習するビーチの砂浜に立てられた「遊泳禁止」の看板の先には、堂々と背泳ぎをしている男性の姿が。これには子どもたちもざわついた。いやはや

▼もしかしたら、どれもこれも日常にあふれている光景かもしれない。だが、悲しいのはすべては大人の行動で、その姿を子どもたちが見ているということ。最低限のルールやマナーを守る知恵だけは持ち合わせたい

▼大人のさまざまな場面での礼儀作法についてコラムをつづった作家の山口瞳さんは言う。礼儀作法とは「他人に迷惑をかけないこと」。これに尽きるだろう

▼身の回りにはルールやマナーはつきもの。がんじがらめだと窮屈だが、互いに配慮し、気持ちよく過ごす術としての大人の流儀は不可欠だ。きょうから多くが仕事始め。人のふり見てわがふり直せ、でいきたい。(赤嶺由紀子)