沖縄県名護市稲嶺区に住む名護商工高1年の宮里宥大(ゆうだい)さんと弟で羽地中3年の介紀(あきのり)さんの兄弟が本年度の「沖縄タイムス伝統芸能選考会」でそれぞれ新人賞に入賞した。兄は三線、弟は笛での入賞。地域では「誇りだ」「若い人が頑張って上等」とたたえる声が上がっている。

「民謡より古典のほうが自分には合っている」と話す兄の宮里宥大さん(右)と「いつかは豊年祭の地謡席に座りたい」と意欲を見せる弟の介紀さん=11日、名護市稲嶺の宮里さん宅

 兄弟の父、巧さん(44)は区の豊年祭の踊りで中心的な役割を果たし、祖父や曽祖父、叔父らも豊年祭の座長を務めた経験があり、兄弟は地域の伝統芸能に触れて育ってきた。

 選考会は那覇市のタイムスホールで行われ、宥大さんは5月15日、はかま姿で臨んだ。三線の新人部門の課題曲は「ぬふぁぬいしくびり んぞちりてぃぬぶる」から始まる「伊野波節」。宥大さんは、およそ4分間を歌い上げ、同18日に吉報が届いた。

 宥大さんは「豊年祭でゆったりと歌う地謡に憧れました。最初に稽古したのは『かぎやで風節』です。選考会はとても緊張したが入賞はうれしい」と笑顔で話す。

 弟の介紀さんは7月10日に笛の新人部門に登場。「中学1年で最初に練習した曲は『上り口説』です」と振り返る。選考会の課題曲は『かぎやで風節』と『上り口説』で、同日に入賞を知り「安心して吹けました」と手応え。

 さらに、宥大さんは4歳、介紀さんは5歳から琉球古典音楽の太鼓を習っていた。巧さんは「幼少の頃から習っていた太鼓は、2人に古典音楽の素地を持たせたのかもしれない」と目を細める。

 近所の新里笹子さん(74)は「入賞は地域の誇りですよ」と話し、同区の元区長の大山政照さん(74)は「若い人が頑張ることは大切なこと。将来も稲嶺の豊年祭は安泰です」と太鼓判を押す。

 将来の夢について、宥大さんは「システムエンジニアになりたい」と語り、介紀さんは「もう少ししてから将来を決める」と話す。一方で、2人共に「古典音楽は今後も続け、上を目指す」と意欲を燃やした。(玉城学通信員)