[心つなぐ花咲かそ 玉城千春](1)

母校・読谷中学校の廊下に立つ玉城千春さん。県内小中学校を巡る特別授業を前に「ワクワクしています」と語る=4月10日、読谷村

 「沖縄といえば?」と質問されたら、「青い海」とほとんどの人が答えると思います。では、あなたはその海のことをどれだけ知っていますか。

 私はというと、泳げなかったせいか、海に入るのが怖かった。でも波の音や色、潮の香り、風は好き。歌詞にも海の風景が登場することがあります。母になり子どもたちと海へ行くけれど、泳ぐよりも潮干狩りがしたくて、引き潮の時は海藻や巻き貝を探しています。イノー(礁池)ではアバサー(ハリセンボン)や、なんとタツノオトシゴ親子に出合ったこともあります。

 そんな私が今やシュノーケルにハマり、マリンスポーツであるサップの計画を立てているのです。

 新型コロナウイルスの感染が広がる中で昨年4月、緊急事態宣言が全都道府県に出されました。どう過ごせばいいのか、どう予防するのか世界中が混乱していた時。不安を少しでも和らげたくて、子どもたちと提案し合った「楽しいこと探し」の中にシュノーケリングがあって。こんな時だからこそ、私もチャレンジだ、と海に潜りました(浮いた、が正しいけれど)。

 目の前に広がる大きな海は「かかってこい!」と言っているかのよう。トゲや毒を持つ生物もいるはずで「失礼します。ウートートー、マブヤーマブヤー」と心の中で唱え、子どもたちの応援とつないだ夫の手、ライフジャケットをお守りに波に身を任せてみます。不定期に水と生物と魚たちが動き、なんと表現したらいいのでしょう、私の時間感覚だけがそこに浮いてました。

 魚や危ない場所を見つけては、みんなで共有し心一つに助け合う。こんな感じでいちいち感動する大げさな私をみんなが笑います。たったこれだけの経験だけれど、感じたことがあります。当たり前で子どもじみているかもしれませんが、「海の生き物も毎日が命がけなんだ」ということ。自分より大きな生き物に食べられ、人間に狙われ、温暖化で水温が上がり、赤土に覆われる。その上、たくさんのごみに汚されて。

 生物の命は限られ、海も永遠ではないのかもしれません。海が、自然が、地球が、気持ちよく呼吸するために私ができることは何か。炭酸水をよく飲むわが家では、ペットボトルのごみを減らそうと炭酸水サーバーにしました。

 楽しいことも、身近な環境も。まずは知ることの一歩を大切にしたい。小さくても、できていること、できることが見えてくるかもしれません。

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 沖縄タイムス社のSDGs企画「未来へ#いのちを歌おう」で、県内小中学校を巡って特別授業を行うKiroroボーカルの玉城千春さんが、身の回りの出来事を通してSDGsについて学びながら、社会を変える一歩をつづる。