気象庁のウェブサイトで、台風の現在位置が広告に隠れて見えない場合があることが分かった。命に直結する情報を入手するのに「広告非表示」ボタンを押すなどの手間がかかる。気象庁は「早急に改修する」と表明した。広告掲載を巡ってはかねて批判やトラブルがあり、19日に再開されたばかりだった。

20日午後にノートパソコンで閲覧した気象庁ウェブサイトの台風情報画面。台風6号の位置が広告と凡例に隠れて見えない

 台風6号が沖縄本島の南東にあった20日午後、ノートパソコンで表示した台風情報のページは、画面の右側5分の1を占める広告と凡例表示で現在位置が隠れていた。広告を非表示にするか地図をスクロールしないと勢力などの情報も見られなかった。

 ブラウザーの表示幅によって見え方は異なる。スマートフォン版は問題がなかった。

 気象庁は昨年9月、収入をサイト運営経費に充てるため中央省庁では異例の広告掲載に踏み切った。企業に業務委託したが、誇大広告の疑いがあるものなど不適切な表示が相次ぎ、開始後20時間で停止した。再開、サイト刷新による中断を経て、19日にまた掲載が始まったところだった。

 気象庁によると、沖縄付近の台風6号と西側にある7号の両方を表示するようにしたため、6号が画面の右側に寄って広告や凡例に隠れてしまった。広告は特別警報を出した場合は消すが、今回は警報にとどまるため表示が続いている。緊急対応として21日夜から凡例を初期表示しないように変更し、今後抜本的な改修を進める。

 気象庁職員も加入する国土交通労組は、サイトの財政基盤は国が保障すべきだとして広告掲載に反対してきた。宮崎高明副委員長は「気象庁は国民一人一人に身を守る判断を求めている。そのための情報を、目障りな広告で隠すのは極めて不適切だ」と批判した。(編集委員・阿部岳