やっぱり沖縄で働きたい。でも…

 宮城正樹さん(37)が働く三重県の自動車部品工場は、従業員600~700人のうち半分以上が沖縄から来ている。50代以上の人も少なくない。働く理由は、宮城さんのように家族の生活費のためから、学費や開業資金のためまでさまざま。

 現地の人に「沖縄ってそんなに仕事ないの?」と聞かれる。「仕事はあるけど給料が安いから」と答える。工場で働く同僚も、沖縄での給料は10万円ちょっとだった、という人が多い。いったん沖縄に戻って働いても、仕事が比較的楽で給料の高い期間工に戻ってくる人が多い。

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 宮城さんの工場での仕事は部品の溶接だ。1日立ちっぱなしで、それに慣れるまでが大変だが、単純作業の繰り返しで、「誰にでもできる仕事」だという。

 内装の仕事は給料は上がらなかったが、技術が身に付いた。「キセツの仕事は何年やっても、ほかのところで使えるようなスキルは身に付かないと思う」

 40歳が目の前。「俺、ずっとキセツやっているのかなと不安になることがある」

 期間工は有期雇用で契約期間の上限は原則3年。最長でも3年でいったん職を失うことになる。

 半年の空白期間を経て応募できるが、競争率は高く、採用されるのは100人のうち50人程度。同僚の中には、8回面接を受けてやっと採用された人もいる。

 宮城さんはこれまで順調に雇用されてきたが、今後、継続雇用される保証はない。

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 宮城さんはことし4月、半年ごとの契約更新のタイミングに、沖縄に引き揚げることを考えている。

 マイホーム建設のために定職に就きたいからだ。雇用が不安定な期間工では、住宅ローンの借り入れが難しいと聞く。

 妻の優子さん(38)の父のつてで、水道設備会社への就職のあてがある。「また見習いから始めることになるが、資格を取らせてくれるというので」

 不安はお金のことだ。給料は今の半分以下になるかもしれない。

 8日間の正月休みの間、一緒に寝ていた小学2年生の次男が、三重に戻った宮城さんを恋しがって泣いている、と優子さんから聞かされ、胸が痛んだ。

 「やっぱり家族のいる沖縄で仕事がしたい。給料がもう少し高ければ。せめて本土並みに上がってくれれば…」(文中仮名)(学芸部・高崎園子)

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 沖縄は平均給与が全国の8割に満たない低賃金社会だ。ワーキングプア(働く貧困層)率は全国一高く、社会問題になっている子どもの貧困は親の貧困に他ならない。労働時間は全国平均より長く、社会保険加入率は低い。労働組合の組織率は昨年初めて1割を切った。さまざまなデータから厳しい労働環境が見える。電通社員の過労自殺をきっかけに「働き方」への関心は全国で高まっている。沖縄の労働者はどのような働き方をしているのか。実態を追い、働く環境改善の方策を探る。

あなたの働き方、教えて下さい

 沖縄タイムスでは、沖縄で働く人たちが抱えている問題を取材しています。あなたの働き方の現状を教えて下さい。(現在、無職・休職中の方は、直近の職場の状況をお答え下さい)。アンケート回答に必要なお時間は3~5分ほどです。ぜひ、ご協力をよろしくお願いいたします。

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