いったい、いつになったら台風は過ぎ去るのか。何日も続く激しい風雨に、不安と同時にうんざりした思いを抱いた人も多かったのではないか。

 沖縄地方を襲った台風6号は、速度が遅く停滞を繰り返し、進行方向が定まらずに迷走した。

 そのため県内各地への影響は数日間に及んだ。特に先島では暴風雨が長時間続き、宮古島地方には79時間にわたり暴風警報が出された。市内の避難所では、3日間身を寄せ疲れた様子の高齢者の姿もあった。

 暴風にあおられて転倒するなど、けが人が各地で続出した。台風との因果関係は調査中だが死亡も1人確認されている。

 空と海の便の欠航も長引き地域に大きな影響が出ている。物流が滞り、離島の小売店では生鮮食品が品薄になった。

 サトウキビなどの農作物被害額は、沖縄本島と大東島地方を調査した現時点で既に約4650万円に上っている。

 石垣市では市指定史跡で推定樹齢約250年の巨木「仲道の三番アコウ」が倒れ、大枝1本が折れるなど大きな爪痕を残した。

 沖縄気象台によると、台風の上空を吹く風が弱いためノロノロとした動きになった。沖縄近海の海水温度が30度と高く台風を発達させた。

 毎年夏から秋にかけ台風に慣れている県民でも、これだけ影響が長引く事態はあまり経験していない。事前の情報提供は十分だったかなど、今後のためにも検証する必要がある。

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 台風6号は徐々に沖縄地方から遠ざかっているが、まだ油断はできない。

 沖縄気象台は、25日にかけて本島地方で強い風や雨があるとして土砂災害や高潮への警戒を呼び掛けている。

 本島地方では先月末も梅雨前線の影響で各地で大雨を記録し、土砂崩れが相次いだ。今回の台風による大雨で再び地盤が緩んでいる恐れがある。

 雨がやんだ後も土壌に大量の水が含まれていたりするため、災害リスクはすぐには低くならない。

 玉城デニー知事も24日、引き続き台風への警戒を求めるメッセージを出した。気象台が発表する気象情報や、各自治体が発表する避難情報などに十分注意してもらいたい。

 川の増水や波の高い状況も続いている。夏休みに入った子どもたちが川や海岸、港などに近づかないよう家庭で指導してほしい。

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 コロナ下では2度目の台風シーズンとなる。

 市町村が避難所に指定する施設の中には、新型コロナウイルスワクチン接種会場として活用している場所もある。

 避難所もワクチン接種も住民の安全を守るために重要だ。感染対策を図りながら両立させるにはさまざまなケースを想定して混乱が起きないようにしなければならない。

 今回の台風では最大で約100人が避難した。その状況を検証しながら、より安全な避難所の在り方を検討してほしい。